半導体をめぐる米中の衝突。日本にも余波が・・・

半導体IT業界

華為だけではないよ。半導体に優れた企業。YMTC

日本もご多分に漏れず世界的に使用が禁止されている華為製品。セキュリティ的な問題を抱えているとのことが一般的に知られていますが、実は他にも理由が。

最近の中国の半導体技術の進歩は目に見張るものがあり、米国も危機感を覚えていました。半導体の設計の世界では世界を圧倒する実力なのですから、無理もありません。

で、今回取り上げるYMTCは半導体の製造技術分野で頭角を表わし、米国の目に止まってしまい、米国の禁輸リストにピックアップされてしまうほど。

これには中国もプッチンときたようで、世界貿易機関に不当だとのことで提訴しました。

半導体製造技術に長けたYMTCってどんな会社?

破綻した半導体大手企業傘下の一つで、2016年に設立とまだ日は浅いものの、政府系のファンドの支援もあり急成長。

そのかいもあってか、技術力を急速につけ2022年には世界初となる232層のNANDフラッシュメモリーの量産化に成功したそうです。

かのAppleも、YMTC製の半導体の使用を検討しましたが、米政府の横槍が入り断念しました。

半導体製造に長けたSMIC

YMTCのシェアは2020年時点で0.6%でしたが、2022年7-9月には3.9%とたった2年で6倍というもの凄い成長を見せています。

NANDフラッシュメモリーシェアトップのサムスンを追い抜くのも近い将来に起きるかもしれません。

また製造技術以外にもファウンドリー分野でも中国企業の成長はめざましく、SMICは世界シェア5位。

これまた業界トップのTSMCがシェア5割以上と絶対王者として君臨していますが、近い将来、その座を脅かす存在になるかもしれません

米国の厳しい処置をすり抜けるかも。パワー半導体分野

米国の規制の対象となっているのはロジック半導体、メモリー半導体でパワー半導体は対象外となっています。

パワー半導体は、ロジック、メモリーに比べ技術的ハードルも高くないというのが理由なのでしょう。

が、このパワー半導体はEVに多く搭載されるということで、今後大きな需要が見込まれます。

これまでの規制の理由はセキュリティや技術力向上の抑制といった感じでしたが、今後は経済的な理由で規制が入るかもしれませんね。

ただでは転ばない、たくましさを感じる中国の半導体企業。今後、台風の目になるかもしれません。

半導体装置などを多く輸出する日本企業も対岸の火事かと思いきや、米国にのっかる形で輸出が規制されているようで、台風の目が大きくなる前に、何かしらの対策を打たないと大変なことになるのではと思った次第です。

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