製造現場の新3K問題

検査鉄鋼業界

神戸製鋼の不祥事を考える

ここ最近、日本の製造業の不祥事が立てて続けに起きています。モノヅクリ日本の信頼性を著しく損なう出来事ということで、大きく報じられています。

一番最初に取り上げられたのが神戸製鋼の不祥事。

顧客の要求する品質を下回る製品を出荷していたとのことが問題となりました。

過剰品質な要求

日本の場合、顧客の求める水準がかなり高い。んで、現場では、その品質に満たない製品が一定の割合で発生しまいます。

そのためあらかじめ余裕を持たせて設計するのですが、神戸製鋼の場合は、品質を満たない製品を出荷していたとのこと。

その道のプロから見れば、品質的に問題ないと判断しても、オーダーとは異なるものを出荷していたのはペケ。

であるならば、事前に、求める品質はここだけどこの程度の品質でも問題ないですよと事前に説明が必要だったのではと思いますね。

日本製品は海外製品に比べ過剰品質、高コストと揶揄されていることを考えると地域に合わせて仕様の変更しましたなんて言えば発注側も納得していくれると思うのですが・・・。

鉄鋼

2つ目は形骸化

続いては日産のお話。完成車の最終検査で、資格を取得していない人を検査に当たらせたというもの。

こちらの検査、国に代わってメーカー側でこの検査を行うというのが、そもそものお話。

けど、その技能というのが法律的に明確に定義されていない。

加えて、クルマの製造工程は、最終に至る前に何回も品質チェックをしているので、ほぼほぼOKと言ってもいい。

ということで高い技能を必要としない。資格はないものの、ある程度の経験を積んでいれば対処できてしまう。

が、法律を犯してしまったことは事実として残るわけで、日産では体制が整うまで出荷を絞らざるを得ない事態に追い込まれてしまいました。

この仕組も長きにわたり、誰も疑問を持つことなく続いていたのでしょう。

このような事件をきっかけに形骸化したこの制度を見直す時期ではという声も上がっています。

検査

最後は事なかれ主義

昔に比べると、現場の本部に対する発言力が弱まったのではと言われています。

昔は、本部からも指示も、「こんなものできるか」と突っぱねるのはよく聞く話。ここ最近は唯々諾々と、その指示を受けいれる始末。

無理な納期も現場では創意工夫してやってきたわけですが、それでも追いつかない事態に追い込まれ、従来すべき工程をもすっ飛ばして納期に間に合わせていたのでしょう。

これが事実なら、わからないでもない気がします。

クライアントと下請けの関係に置き換えても、無理な納期設定も、そんなのできませんと言おうものなら、次から仕事はこなくなるし、辛いところです。

検査
[amazonjs asin=”4334033938″ locale=”JP” title=”ものづくり経営学―製造業を超える生産思想 (光文社新書)”]

タイトルとURLをコピーしました