見事な鉄仮面っぷり「アイヒマン・ショー/歴史を映した男たち」

さすがモサド

ユダヤ人の大量虐殺を指揮した人で、第二次世界大戦後、連合国の目を盗みしばらくはアルゼンチンに潜伏。が、CIAにも匹敵するイスラエル諜報機関モサドに見つかり、イスラエルに移送されます。

で、この作品では裁判にかけられるアイヒマンをテレビで流すことに成功したテレビマンのお話です。

アイヒマンショー

障害はつきものだけど・・・

とにかく初めての試みということもあり、そう事はカンタンに進みません。まずは判事の撮影許可が降りなきゃペケ。これが裁判のギリギリまで回答が得られないという当時者だったら、クラクラしちゃういます。

一流のカメラマンや監督を雇ったのに、最悪撮影NGとなれば、ギャラだけ払えば終わりですからね。

ただこれは想定の範囲内。もっと怖いのが、脅迫です。

連日連夜、ナチス信奉者から「撮影をやめろ」という電話がプロデューサーの家にかかってくる始末。

しまいにはプロデューサーの会社まで押し寄せて、手榴弾を持ち込んで突撃。今で言うところの自爆テロみたいなものです。

家族を危険な目にさらしながらも、この裁判を全世界に知らしめることに意味があると徹底抗戦の構え。最終的には強い想いがあったらからでしょう。全世界に公開することができたのです。

アイヒマンショー

1961年は色々とトピックスが・・・

この裁判が行われたのが1961年。当時生放送がそこまで発達していませんでしたから、撮ったら編集して、そのテープを全世界に航空便で運ぶというもの。

プロデューサーは裁判から放送されてからというもの、とにかく視聴率、視聴率。

視聴率がイマイチよろしくない時は、監督のやり方にブーブー文句を言いし、衝突することもしばしば。

それも、そのはず。この裁判の他に、この年はガーガリンの宇宙の話やらキューバー危機があった年。暗い過去より、輝ける未来の方が視聴者は喜ぶシーンになんか納得させられました。

この裁判をきっかけにユダヤ人大虐殺の真実が白日の下に

第二次世界大戦後時にナチスによって強制収容所に無理やり移送された人達の証言が、実に生々しくて、これテレビで放送していいの?という位、残忍さが伝わるものでした。

今では、映画や書籍などユダヤ人虐殺の情報を知ることができますが、当時はこの裁判を通して、その残酷さを知った人が多かったようです。

鉄仮面アイヒマン

この証言中、カメラを向けてもアイヒマンは無表情。目をそむけたり、たじろいたりするような行動変化はなく見事なまでの鉄仮面っぷり。

監督としては彼の表情の変化を取りたいのに・・・結局はそのシーンを撮ることはできずに終わっちゃいました。

アイヒマンショー

最終的には言質を撮って、死刑にはなりますが、終始無罪を主張するアイヒマンが印象的でした。