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ハリウッド

夫婦愛よりも家族愛。「モーガン夫人の秘密」

敗戦国の悲哀。家が接収されるって・・・

舞台は第二次世界大戦終戦後のオーストリア。戦後処理のため戦勝国イギリス兵が治安維持のために駐屯していました。

街では、ナチスの残党やドイツ人による暴動などがが起き、戦時下レベルで大忙しのイギリス兵。

中には本国イギリスから家族を呼び寄せてじっくり腰を据えてオーストリアの地で任務に付く人もいました。

主人公夫妻もオーストリアでしばらく生活することを決め、住まいは元ドイツ人が居住していた屋敷ばりの豪華のお家。

この屋敷。それまでの家主はドイツ人親子。敗戦国ということからお家を接収されてしまいます。

かろうじて、屋根裏に住居スペースをあてがわれ、家なし状態はまのがれましたが、元主人、そして娘の心中はおだやかではないはず。

モーガン夫人の秘密

イギリス人夫妻を出迎える時の「ようこそ」という言葉は、かなり苦痛だったはずでしょう。

人格さえも否定されている気分

イギリス人夫妻の旦那さんは軍の大佐というかなりお偉い身分の方。良識ある方で、元主人に対する接し方も、相手を思いやる気持ちが感じられ、優しさを感じました。

一方の奥さん役キーラ・ナイトレイは元家主からの握手をスルーするほどドイツ人嫌いをあからさまに表に出します。

そんな仕打ちを受けても表情一つ変えない元家主の大人な対応に偉いなと思ったと同時に学ばきゃと思いましたよ。本当に。

モーガン夫人の秘密

終戦後も街中はまだまだ戦時中

作品の中では、どこそこで冒頭が起きた、イギリス兵が襲撃されたなど、あちこちで暴動が起き、まだ戦争が終わっていないことを感じました。

親を失った子どもたちは廃墟の中に自分たちの住処をつくり、集団生活を行うなど、子どもであろうと自立を求められている厳しい環境に置かれていました。

ナチスの残党もかなりいて、これが中々やっかいで、進駐軍に対して攻撃的で連合国軍も相当手を焼いていました。

ので、元ナチスとひと目でわかる腕に88の入れた墨を発見すると即座に連行するなど治安維持に努めていました。

次第に惹かれ合う。二人

旦那が暴動鎮圧で家をあけることが多く、かつ子供を失い夫婦生活がぎくしゃくしていることもあってか、気が緩んでしまったのか、あんなに毛嫌いしていた元家主のドイツ人と恋仲に発展。

まぁ、これは予想通りの展開。密会と言っても同じ屋根の下なので、二人はどんどん愛を深めていき、キーラ・ナイトレイは旦那と離婚することを決意。

第二の人生を新たなパートナーと送ることを決めます。

そう来たか。大佐が胸に秘めた想い

この二人の関係を知った大佐は、元家主を攻めるわけでもなく、むしろ奥さんを幸せにしてくれという不可解な対応。

というのも、子供が空爆で失ってから、どこかで奥さんを避けていました。奥さんと過ごすことで、子供の事を思い出してしまう。

これを奥さんに伝えるシーンは胸に迫るものがあって、唯一の泣けるポイントです。

モーガン夫人の秘密

こうして旦那からもOKをもらい、二人は家を後にするわけですが・・・。

残された大佐が終始大人に見えて好感を持てたのは言うまでもありません。

だからこそ、この人こそ幸せになって欲しいと思いした。最後はポロリまでは行きませんでしたがジーンとくること間違いなしです。ぜひ。

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日本映画

話が深すぎてついていけない「素晴らしきかな人生」

優秀なクリエイティブマン

会社の業績を左右するほどの優秀なクリエティブディレクター。大手クライアントの大半の仕事をこなし、彼に仕事を任せたいというクライアントばかり。1人のずば抜けた天才に会社の命運が託されていると言ってもいいほど。

けど、あまりにも1人の人材に偏るすぎるのも会社としてはリスクが大きいもの。

最高益を獲得し、全社スタッフが喜びに溢れかえっていたのが嘘だったかのように、その3年後には会社が身売りされるとは、誰も予想できなかったでしょう。

素晴らしきかな人生

子供の死が彼を豹変させることに

会社の身売りが囁かれることになったのは、優秀なクリエイティブマンが全く仕事をできなくなってしまったから。毎日会社に出社するものの、他のスタッフとのコミュニケーションを取るわけでもなく、自分の殻に飛び込み、ひたすらドミノを並べている始末。

エネルギッシュな彼はどこに言ってしまったのかというほど様変わりよう。

というのも、愛娘も病気で失ったことが大きく影響していたのです。

周りも彼の気持ちを推し量って、しばらくは彼のドミノの見過ごしていたものの、それが3年近くも経ち、かつ身売りの危機とあってはもう放置できない。

彼を立ち直らせて、身売りを回避すべく3人のスタッフが立ち上がったのでした。

素晴らしきかな人生

どっきりかよ。

彼らが考えたのは、彼が精神障害であることを気づかせるというもので、かなり手の込んだもの。

彼がよく口にしていたフレーズ時間、愛、死という抽象的な概念。それらに彼は手紙を送っていたという意味不明な行為を行っていました。

この時点で精神的にかなり来ていたのですが、本人に全く気づいた素振りはなし。

なわけで、手紙を送った先の時間、愛、死が実際に彼の目の前にあらわれて、アドバイス。その姿は彼にしか見ることができず、その様子を撮影して、彼に見せることで、精神的に来ていることを、動画を見せて気づいてもらうというもの。

時間、愛、死を擬人化して見せるというのも斬新ながら、それで彼が、それを見て信じるだろうと思う所もこれまた凄い。

素晴らしきかな人生

愛と死と時間という重いテーマ

この作品を最後まで見ると家族愛という深いテーマが、根底にあることを気付かされます。

どっきりを仕掛けた彼らも、この作戦を通して、自身の家族について深く愛や死、時間について見つめ直している感じがしますし、避けては通れないながらも、着地点を探す大変さが随所に感じられます。

最後に主役が立ち直った姿を見てぐっと来てしまいました。

素晴らしきかな人生
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ハリウッド

第二次世界大戦の終結の影に。「イミテーションゲーム」

戦は情報戦

古今東西、戦を左右するものは情報。というのを改めて実感した作品でした。

古代中国でも、各国からスパイにばらまき集めた情報を基に戦略を練る。

孫子の兵法にも「敵を知り己を知れば百戦危うからず」という言葉がある位ですから。

第二次世界大戦も同様。敵国の通信を傍受。が、これが難解を極める暗号。恐らく今世紀中は無理と当時は言われていたのに、解読に成功したのが、本作品の主人公、天才数学者アラン・チューリング。しかもこの方の存在はつい最近に秘密にされていたというのがですから、驚きでした。

イギリスも当時は大変だったようで

日本から見た第二次世界大戦というのは学校の授業やら小説などである程度の知識はありました。が、他国の事情というのは全く。

この映画ではイギリスVSドイツの戦いが描かれていますが、日夜空爆にさらされたり、アメリカから輸入される食料がことごとくドイツの潜水艦に撃墜されるなど、ほぼ風前の灯といった感じ。

他の欧州諸国みたいに、ドイツに占領されるのも時間の問題といった感じでした。

MI6立つ

あの007で有名なMI6。防戦一方の自国を何とかせにゃあかんということで、ドイツの暗号解読にとりかかります。その声をかけた一人に天才数学者アラン・チューリングがいました。

他にもキレキレの天才学者もいましたが、彼らとは一切交わらず、独自のアプローチで暗号の解読を進めていきます。

というのも、この解読、数十億のパターンから暗号を解読しなければならないという途方も無い作業。人力ではなく機械におわせた方ないと無理と早くから解決の糸口を発見していました。

まるで大型レコードプレーヤー

で、天才数学者アラン・チューリングが作ったのが、大型の解読機械。円盤状の機械が壁面に数十個取り付けられ、暗号を入力するとグルグルと周るという仕組み。

イミテーションゲーム

ビンゴとなれば、グルグル回っった機械が停まり、その止まった所の英単語を結びつけると暗号が解読されます。

が、暗号を入力してもずっとグルグルグルグル回るだけ。一向に止まる気配なし。止まらなければ解読は成功したとは言えない。

MI6からの与えられた猶予期間は1ヶ月。

もうだめかという時に天才数学者アラン・チューリングに閃きが起きました。

通信会社の女性の一言で歴史が大きく転換

彼の閃きのトリガーになったのが、婚約者の友人が発した一言。実は彼女、通信会社のスタッフで日々、ドイツ人と通信のやりとりをしているそうで、毎回決まったワードが入っているとのこと。お決まりの決め台詞とでもいいましょうか。

イミテーションゲーム

このヒントをキッカケに機械を改良して、見事暗号の解読に成功したのです。

戦争終結を2年近く早めた功績

この解読をキッカケに連合国は様々な場所で勝利を手にします。これも暗号解読の賜物。そして歴史学者曰く、天才数学者アラン・チューリングのこの功績により、戦争終結を2年近く早め、何千万人の命を救ったと。

イミテーションゲーム

が、mi6の案件だけに、この情報は歴史上が抹殺され、なかったことにという世に知られることなく今の今まで経った訳です。

が、つい最近、彼の功績が知られることとなり、エリザベス情報から恩赦を与えられました。

歴史の影にこんな素晴らしい功績を残した人がいたなんて、その事実を知っただけでも満足です。

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ハリウッド

ハチャメチャが過ぎる「アンナ・カレーニナ」

何、不自由のない生活を送っていたのに・・・

日本の士農工商のような身分制度が、帝政ロシア時代にもあり、アンナ・カレーニナはいわば貴族階級。豪華な宮殿に住み、住み込みの世話役を数多くかかえ、ほぼ毎日が社交界。しかも旦那は役人と来れば、将来にわたって安定した生活は保障されたようなもの。なのに、これが軍人と恋に落ちたものだから、さぁ大変

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自由奔放すぎるだろ

この恋はいけないことと自制はしていたものの、本能には逆らえず、抑えられない気持ちがついに決壊。旦那の浮気はよく聞く話だけど、奥様が浮気って・・・。

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大人すぎるだろう

で、アンナの旦那役、ジュード・ロウが、これまた紳士。アンナの浮気を知りつつも、取り乱すことなく淡々と、諭すように浮気をやめるよう説得。ジュード・ロウが演じると、さらに輪をかけていい旦那に見える

世間の目は冷たい・・・

人の道をちょいと外した行動を取ったがために、貴族連中から厳しい仕打ちを受けるはめに。まともに会話もしてくれず、会話しようものなら、会話した人が非難されるって、学校のいじめ状態。

さすがの破天荒アンナも、徐々に情緒不安定になり、最後は・・・。あらゆる人を巻き込み暴れるだけ暴れまくり、台風のごとく駆け抜けた感じが、最後のジュード・ロウの微笑むシーンに凝縮されていた感じがした。

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ハリウッド

実話というからびっくり、賞金稼ぎの女王「ドミノ」

ドミノ,賞金稼ぎ

日本に住んでいるとバウンティハンターって聞くと耳慣れない職業ですが、よく交番に掲示されている逃亡犯の写真の下に書いている、捕まえてくれたら、報奨金を払うという奴と聞けば、ピンとくるかも・・・

実際に存在した主人公

元モデルの女の子が、賞金稼ぎという職業に天職を感じ、犯罪者や逃亡者を捕まっていくわけです。男でもひるむような凶悪犯もいる訳で、映画の世界だから、ありえると思いましたが、このドミノという主人公が実在していたというのだから、びっくり。

彼女の武器はヌンチャク?

激しい銃撃戦が繰り広げられますが、彼女がこの職に入ったきっかけは、豪快なヌンチャクさばき。雇い主も、そのヌンチャクさばきに何かを感じたのでしょう。が、劇中に、ドミノのヌンチャクさばきはあまり出てこず、ほとんどが銃器。もうすこし見たかった。

ドミノ,賞金稼ぎ

演出はユーモアたっぷり

オーシャンズイレブンを見ているようなテンポの良さで話が進んでいきます。シーンの切り替えしのSE、早送りからを多様する演出、ハードライトな色調などセンスのよさを感じます。凶悪犯逮捕となると、どうしてもシリアスな感じになりますが、微塵も感じません。むしろ楽しく観られます。

泣けるぜ、ドミノ

最後のドンパチは見ものです。このシーンは実際にあったかは別として、映画ならではのスケールの大きさを感じずにはいられません。
ネタバレになりますが、この凄惨な戦いの元は、一人の黒人女性の孫の病の治療費をどうしても工面したいというのが始まり。ドミノにとっては、ある意味、被害者な訳ですが、そこはぐっと堪えて、世のため、人のための行動を取るのです。
触るもの全てを切りつけるような荒んだ感、どこか冷徹な感じがしましたが、ドミノも人の子だと思うと、ホロッときました。