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どうしても繋がらない。食品会社が半導体ビジネスでシェア100%って。味の素

冷食、調味料と言えば味の素

冷凍食品、調味料、レトルト食品などなど色々な色々な面でお世話になっている味の素。日本を代表する食品メーカーというイメージがありますが、実は半導体の世界ではある材料がシェア100%とのこと。

主にパソコンなどのMPUの絶縁材に使われてるようで、その名も味の素ビルドアップフィルム(ABF)。

半導体

絶縁材って何?

絶縁材ことABFとは、MPUとマザーボードをつないで信号を伝えるための半導体パッケージ基盤に使われ、幾層にも積み上がった電子回路間に電子を精緻に流すために必須の材料とのこと。

ABFは孝行息子

食品をメインとする味の素だけに半導体向けビジネスはそれほど規模も大きくないのかと思いきや、2021年3月期の利益の内、ABFがらみが約1/4とのこと。半導体向け以外にもヘルスケア分野での使用も含まれているものの会社に対する貢献度は非常に高い。

半導体

これも昨今の半導体不足が少なからず影響しているのでしょう。とは言え、需給が落ち着いたとしても事業環境はしばらくの間、安定するのではと思います。

ABF誕生を探る

ABFの誕生は遡ること1960年代。うまみ調味料の製造は合成法によって作られていましたが、時代が変化するにつれ、さとうきびなどを使った発酵法によって製造されるようになりました。

その中間体の有効利用のためABFの開発が始まったということで、半世紀ほどの歴史ある材料とも言えます。

で、商品として世に出たのが99年。それから20年以上の歳月を得て世界100%という無双状態を気づいたのです。すごすぎる。

半導体

シェア100%に安住しない。研究開発

半導体の世界は進化のサイクルが激しく、すぐに陳腐化しちゃうというリスクもあることから、日々研究開発が行われるとか。

10種類以上の原料を配合するというのですから、その組み合わせパターンは相当な数に達し、その中から最適解を導き出すのは相当な労力でしょう。

半導体

んで、小型化、高集積化などの時代のニーズに合わせて、これだという調合法を導き出す。シェア100%でも進化の動きを止めない姿勢に好感が持てます。

時代、時代にあわせて半導体のニーズが変わるのにあわせて調合法も変化していくことに何かロマンを感じました。

食品業界が全くの畑違いの業界に参入とも見えますが、実はつながっていたということに驚きました。

うまみ調味料が半導体製造に使えるという目のつけどころは凄いなと思いました

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飲料食品メーカー

糖質ゼロビルって色々な意味で結構大変なことみたい。キリン、サントリーの挑戦

糖質ゼロビールの苦い経験

糖質ゼロビールと言えば、数年前に発売されたサッポロだったかな、ダイエットというビール。

工藤静香のCMで「軽くヤバい」というキャッチーな言葉に騙されて飲んだものの、水で薄めたようなとても口にできるような味じゃない。

よくもこの味で、商品化できたなと軽く怒りを覚えました。それ以来、健康系ビールには全く手を出さず今に至るわけですが、その後も糖質ゼロ系ビールが続々と発売するのを見るにつけ、一定の需要はあるんだなと感じました。

ビール

ありそうでなかったビールの健康系

これまでの健康系ビールはと言えば、第3のビールであったり、発泡酒が中心。本丸となるビールはどのメーカーも手を出しませんでした。

というのも、これまでのビール種に比べ、糖質ゼロにするのは色々とタカーいハードルがあったようです。

ビール

まずは味が落とさずというのが大変

まずは問題となるのが味。糖質ゼロに味変するとなると、ビールのおいしさが減少していくという残念な反比例が状態が起きてしまい、結果、まずいビールに仕上がってしまう。

糖質の元は麦芽に含まれるでんぷん。麦芽を少なくすればでんぷんも少なくなり糖質も落ちる。けど、味も一緒に落ちちゃう。

ので、サントリーの場合は、麦芽中のでんぷんを分解し、糖質ゼロになるまで発酵させる製法を編み出し、製品化にこぎつけました。

ので、従来は新製品の開発に3年近くの時間を要する所を、サントリーの場合は5年もの歳月を費やしたようです。

途中で何度も心が折れかけたという技術者の声を聞くに、相当な苦労したことが伺えます。

何よりも怖いブランドの毀損

もう一つのハードルがブランドの毀損。ビールメーカーの看板商品ともなる本丸商品で、味が落ちた、まずいという評価をされてしまうと、既存ブランドのイメージを落とすことも十分に考えられます。

何十年もかけて築き上げたブランドイメージが1日にして崩壊してしまう。そんな恐怖、プレッシャーもあったことでしょう。

けど、需要は底堅いことは確か。商品化にゴーを出した経営陣も相当な覚悟を決めてのことだったのでしょう。

ビール

両社とも予想を超える売れ行きにホクホク

そんな生みの苦しさを経て誕生した糖質ゼロビール。キリンの一番搾りは過去10年に売り出したビール新商品で最速のスピードで1億本を突破

サントリーも当初計画の1.2倍の売れ行きで、こちらもまずまず出足となりました。

5年前から、両社とも競合他社に先んじての開発と思っていたのに蓋を開けてみたら、他社でも同じことをしていたことに驚いたとともに、健康系ビールの需要ありは間違いなかったと確信したことでしょう。

この先、他社も追随する可能性があり、ビールでも糖質ゼロがひとつのトレンドになることは間違いないでしょう。

酒税法改正で若干お安くなったビール。第三のビール、発泡酒にオサレ気味ですが、挽回する可能性も大いにあり、今後の動向に注目していきたいと思います。

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飲料食品メーカー

朝カレーならぬ、夜専用カレー。時間軸で商品を差別化。この先広がるかもハウス食品の夜遅カレー

朝限定のコーヒーはわかりやすい

時間軸を加えた商品ネーミングは、その性格をよりわかりやすく伝えるに有用。

缶コーヒーのモーニングショットは、ネーミングから朝イチに飲むってことはパンチの効いた味で、まだ夢かうつつか判別しない身体に目覚めの一発を届けてくれる、そんなイメージを抱くのではないでしょうか。

けっして朝イチでもなくても、どうも身体が想い、眠気が取れないという時にはついつい手が伸びてしまうことでしょう。

このように時間軸を商品ネーミングに付け加えることは、商品が溢れる昨今にあって、僕的にありだと思います。

今回紹介するハウス食品の新レトルトカレー、やさしく夜遅カレーがまさにそれです。

カレー

コロナ禍でレトルト食品絶好調だけど・・・

2019年度のレトルトカレーの市場規模は約600億円。この数字、5年前に比べると2割り増しとのことで、今なお伸び続けています。

コロナ禍でレンチンがヒットしていることを考えると、さらに市場規模は順調に拡大していると思います。かくゆう自分も、このコロナ禍でチョイ高めのレトルトカレーを購入する機会が増え、今では100円前後のレトルトカレーでは満足できないほど贅沢な舌になってしまいました。

順調に推移しているものの、それで満足しないのがハウス食品。よーくデータを調べると20-30代女性の刺さり具合が他の世代に比べて弱いことが判明。

てなわけで、全体から見ればニッチな市場にも思えますが、ココに新商品を投入することを決めました。

とろみは小麦粉じゃないよ。野菜だよ。

女性をターゲットとなると、美容健康面への配慮が欠かせない。糖質やカロリーなどにも配慮した商品づくりが始まりました。

そもそもカレーのとろみは、小麦粉によるとのことですが、カロリー面を考えると、極力減らしていかないとならない。とは言え、しっかりと味を落とさずお腹を満たさなくてもいけない。

そこで目をつけたのが野菜。煮込ませることで、小麦粉のようなとろみ出すこと成功。さらに1日の接種目標の1/3をこの商品から取れてしまう。美容健康面にも配慮した代替え案が見事にはまったとも言えます。

残る課題はパッケージ。これかなり重要

商品はある程度の目処はついたものの、このパッケージづくりが困難の連続だったとか。

そもそもレトルトカレーは長期保存できるようにレトルト窯で加圧・加熱をして殺菌するとのことですが、やさしく夜遅カレーはカップ上に容器に蓋をしただけというもの。圧力をかけた時にカップの形が崩れるなどして、最適な温度、調整に苦労したようで、開発から約3年を要したのも、このパッケージづくりの苦労があったからでしょう。

もちろん、味は大事ですが、パッケージも非常に大事。特にレトルト食品は簡便さがウリ。準備に手間がかかるようであれば敬遠されてしまう。

やさしく夜遅カレーであれば容器ごとレンチンすればすぐに食べられる。お湯を沸かす必要もなく、そう考えるとレトルトカレーよりも簡便です。

カレー

あぐらを欠かないスタンスがすごい。ハウス食品

やさしく夜遅カレーは現在、関東の一部のコンビニとネット通販で販売されており、販売数は計画の50%増し。今後の売れ行きを見ながら、販売ルートを広げていくようです。

初動の販売動向だけを見るに、ターゲットに設定した女性に届いているかは定かではありますが、夜専用を感じさせるネーミングで手に取る消費者が多いのではないでしょうか。

ハウス食品と言えば、真っ先に想起するのはカレー。看板商品と言ってもいいでしょう。しかもロングラン商品を数多く持つ。

とは言え、そこに安住するどころか、さらに市場拡大に取り組むあたり、ハウス食品のすごいなと思いましたね。

巣ごもりで食のレパートリーが枯渇する中、この手の新商品はありがたい。しかも、わかりやすいネーミングは商品を選択する上で助かります。

昼専用、朝専用、昼過ぎのチョイ遅れのランチ用などなど、さらなる新商品を発売してと思った次第です。

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強アルコールじゃない。微アルコールもこれから市場として有望?アサヒの挑戦が素晴らしい

ストロング系に次々参入

コロナ禍による巣篭もりで家飲みが増えた昨今。ビール会社は、その需要をホリコせと各社サーバーを用意するなどこれまでとは異なる新たな動きが起きています。

チューハイ系はと言えば、サーバーとは行かないまでもアルコール度数を上げた商品が数多く発売され、これもコロナ禍で加速しました。

少ない量で酔えるという経済的理由から、ストロング系を選択というのには驚かされました。

焼酎

微アルコール系という市場創出か。アサヒ

ビールがサーバーに注力したり、チューハイが度数高めの商品ラインナップを増やしたり、どれも言うなればお酒好きに向けたもの。

市場の見方としては、こちらの方向に突き進むが正攻法かと思いますが、アサヒは、この世のトレンドとは逆行する微アルコール商品を発売しました。

2021年3月に発売したアサヒビアリーはアルコール度数0.5%。通常のビールが5%位ですから約1/10。しかもこの微アルコール。アルコールが入っているのに清涼飲料水扱いとのこと。

そもそも酒類とは1%以上の度数のものを指すようで、それを下回っているので、お酒扱いされないのです。

ビール

お酒離れが進む市場を打開するためなのか

数十年前から言われているのが若者のお酒離れ。ビールの出荷量を見れば一目瞭然。昔に比べると明らかにお酒の飲む量が減ってきています。

さらにアサヒビールの調査によれば、「お酒を飲めない」、「飲めるが飲まない」という人が約8000万人中、約半数いたとのこと。しかも対象は20代-60代。若年層に限らず中年層にもお酒の飲まない人が増えていることが伺えます。

このような市場環境を見て、微アルコールなる商品を投入したのでしょう。

ビール

メーカーとしての使命というのもあるか

アサヒが微アルコールを発売した背景にはメーカーとしての責任という面もあります。

適正な飲酒は世界的トレンドでもあり、2010年のWHOのお達しを受け、日本でも2014年にアルコール健康障害対策基本法が施行されました。

これを受け、今後、アルコール量の表示がなされるわけです。ちなみに生活習慣病のリスクを高める飲酒量は、1日あたり、男性が40g、女性が20gだとか。

5%アルコールのビールが約4g(5*0.8%をかけるとグラムを算出できるらしい)。これに飲酒量を組み合わせると出るらしいのですが、40gと言ったら、僕的には酔いつぶれるレベル。

とは言え、お酒好きは一度エンジンがかかったら、そう簡単には止まらない生き物。頭では40g超えちゃうよとわかっていも、ついつい手が伸びてしまうのでしょう。

焼酎

新ジャンル、微アルコールは盛り上がるかな

このような背景の元に生まれた微アルコール商品。今後、他社も追随するようであれば、消費者もより手にする機会が増えるのではないでしょうか。

ノンアルコールでは物足りないと思っている人にとってもありがたい商品とも言えます。

気になるのは飲酒運転で捕まってしまうのかいなか。個人差もありますしね。清涼飲料水でありお酒ではないという主張が警察の人に通じればよいのですが・・・。

とにもかくにも一度飲んでみたいと思います。

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「ごはんですよ」を調味料に。新発想で復活。老舗桃屋の挑戦

小さい頃から食卓には必ず「ごはんですよ」

メガネをかけたキャラクターでおなじみのごはんですよ。今から40年前、僕が小学校に上がる前から食卓にのぼっていました。

桃屋

商品寿命が短くなってきている昨今で、40年以上も販売し続けるということは、とてつもなく凄い。

とは言え、そんな人気商品を持っているのに桃屋自身、そこに安住するわけでもなく、むしろ危機感いっぱい。

ピークは1980年代。今の売上高は1/3

2020年に創業100年を迎えた桃屋。ごはんですよは1973年に発売されたので、桃屋の歴史から見れば、若手といったところでしょうか。

1980年代には売上高300億円でしたが、2013年には112億円までただ滑り状態。

2009年に発売した大ヒット商品食べるラー油を持ってしても、売上高の減少は補えませんでした。

とは言え、直近の業績はと言えば7期連続で増収増益と絶好調。ピーク時には遠く及ばないもの、勢いを取り戻したのは事実。

今なお続く営業改革が功を奏したと言ってもいいでしょう。

新商品ではなく既存商品を育成するという新発想

コンビニなどでは新規出店することで業績を伸ばしていくのが定石。商品も同じことが言え、新商品を矢継ぎ早に出すことで売上を維持、また伸ばすというのが一般的です。

桃屋も一時期、このような考えに染まりつつありましたが、いや待てよと。既存商品もまだ捨てたもんじゃないよと。まだまだ手にしていない、食していない消費者は多いはずという視点に立ち営業活動を推進。

これが今に繋がる7期連続増収増益の始まりだったのです。

試してみたい。ごはんですよチャーハン

既存商品の育成で手掛けたのが、桃屋商品を使った料理レシピ。これまではごはんですよにしろ、食べるラー油にしろ、それ自体をおかずとして見ていました。

が、これらの商品を調味料として扱うことで、グーンと桃屋商品を口にする機会が広がります。

特に気になったのが、ごはんですよチャーハン。どうも味にパンチが足りないなと思っている人には、うってつけかも。多少の塩っけと味に深みが出て、在宅勤務でランチのバリエーションを増やしたい人にとっては試してみる価値ありです。

桃屋

営業部隊が中心となって開発されたレシピは今や360以上。ってことはほぼ1年分の桃屋を口にする機会ができたということになります。

桃屋

売り場を抑える。売り場が大事というスタンス

限られた棚を抑え死守し、あわよくば、より目立つにように陳列して欲しい。どのメーカーの営業も血眼になって交渉を進めるわけですが、基本的にチェーン店などは本部との折衝が一般的。

店舗に足を運んでも本部の指示による所が多く門前払いされることも・・・。

が、桃屋の営業部隊は、粘り強く交渉することで棚確保に成功。最近では店舗に任せるチェーン店も多く、結果的に桃屋にとって追い風になっていることでしょう。

桃屋では、桃屋の特設売り場を設けることを営業の評価基準に上げているとか。営業にとっては非常にわかりやすい評価基準。特設売り場を開くには相当な体力が必要ですが、実現にこぎつけた時の喜びはひとしおでしょう。

色々な示唆に富んだ桃屋の取り組み。ブランドとして古いイメージしか持っていませんでしたが、この記事に触れ、イメージが変わりました。

近くのスーパーでは、どんな売り場になっているのか早速見に行ってきます

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20年間の戦いに勝利。ヤクルト

始まりは2000年。黒船ダノン来襲

2000年春にヤクルト株をしれっと5%購入したダノン。日本でもおなじみの会社ですが、海外ではもっと知名度も高くグローバル企業と言ってもいいでしょう。

そのグローバル企業に不幸にもロックオンされたヤクルト。これが戦いの始まりというのは十分に折込済み。そして20年にも及ぶ静かなる戦いが幕開けしました。

3年後には筆頭株主に。予測通りの展開

2000年に株を購入したダノンの目的は、原材料の調達や研究開発を共同で勧めたいという緩やかな提携話を持ちかけます。

いきなり買収ともなると拒否反応を起こしてしまう。ならば段階的に話を進めればヤクルト側も免疫力がついて、スムーズに買収が進むんと踏んだのでしょう。

で、3年後には19%の株を購入し、筆頭株主に。とうとう本丸攻めを仕掛けきました。

アジアで勢いに乗るヤクルトを取り込むことで、ダノンとしてはライバルのネスレとの差を縮めていきたい。

ヤクルトはその要望を受け入れ、海外事業で提携。かつダノンからの役員も受け入れることにしました。

が、ヤクルトが凄いのは交換条件として株をこれ以上を買い増さないという条件を相手方につきつけたこと。

筆頭株主に物申すという格好ですが、この強気の対応がその先の関係を優位に進めたことは間違いないでしょう。

当初は5年間という縛りを設けたものの、延長、延長で2012年まで引き伸ばしに成功。

出資比率35%引き上げに猛反発

業を煮やした格好のダノンは出資比率を35%引き上げを打診。20%からいきなり拒否権が発動できる35%とは何事かということで、これにも徹底抗戦。

とにかく強気のヤクルトの姿勢、弱腰のダノンといった感じですが、そこまでヤクルト技術が優れているからなのでしょう。

結果的に折り合いをつけるべく、出資比率35%から3割弱へと減らすこで合意にこぎつけることができました。

そして冷戦時代へ突入

2013年には、ホクレン農業協同組合連合が買収防衛に協力する動きもあり、ダノンとの提携関係は解消。が、株を売りに出さずしばらく保有するという中途半端な状態が7年近く続きます。

むしろこちらの方が、ヤクルトにとっては怖いでしょう。相手が全く動いてこないわけですから、対策の立てようががない。

鬼の居ぬ間に洗濯?株放出。ダノン

いよいよ2000年から続くダノンとの戦いも終焉を迎えます。

ヤクルト買収部隊が本丸を抜け出し、次なる買収策を検討している中、本丸ではとんでもない事件が勃発。

米有機食品大手の買収で1兆円近い借金を抱えることとなり、ヤクルト買収部隊は本丸への帰還を余儀なくされてしまいます。

ある意味、米有機食品大手がヤクルトを助けてくれたようなものです。

買収危機の企業の多くは、TOBを仕掛けられてしまい経営権を剥奪されるというのが一般的ですが、ヤクルトのこの攻防はTOBにならなかったものの、乗っ取られない対応として非常に参考になるのではと思いました。

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お豆のフジッコ。手広くやっているのね。

CMの歌が頭をかけめぐる。フジッコ

フジッコと言えば、お豆。CMでそのように刷り込まれていましたが、他にも惣菜であったり、昆布、果てはヨーグルトまで手掛けていることを知り驚きました。

多様な商品群の中で、今伸び盛りなのが総菜部門。2018年以降5-8%と増えており、フジッコの中でも稼ぎ頭と言ってもいいでしょう。

リニューアルは味はもちろん、容器まで

とにかくお客の声を聞き、商品に反映させるという取り組みは他社もやっていますが、様々なソースがあるのが特長の一つ。

店頭販売員から、グループインタビューから、お客様相談室などなど。しかも集めただけで満足するだけではなく、その声をしっかりと商品にフィードバックするという徹底ぶり。

その改善ポイントは、味はもちろんですが、価格、分量、容器に至るまで多種多様。多角的に商品を見直す姿勢が好調を支えていると思います。

切り込み口をまっすぐ最後まで切れるように

稼ぎ頭の総菜も過去には鳴かず飛ばず状態という不遇の時代を過ごしたとか。

で、お客様の声を反映して分量を食べきりの量に減らしたり、価格を100円以下に。容器は中身が見えるように半透明にするなど様々な改善を加えたことで販売が上向きました。

この容器に対する着目点はお客様の声を聞かないと中々知り得ないもの。

昆布製品の容器を何度でもフタが閉められるようにしたり、ヨーグルトの容器を滑りにくいプラ製にしてくぼみをつけたり、些細な改良に見えますが、個人的にはかなり重要。

袋詰のパックを切り口から最後まで切り取れるというのは、僕も同感。

ペットフードでこの手の袋詰のパックのものがありますが、きれいに最後まで切り取れないと中身をうまく出し切れない。てなわけで、最後まで切り取れるものに変えたほど。

納豆もそう。上蓋がきれいに切り取れる大手商品。中堅商品はうまく切り取れず下部分の容器も切れてしまうことも。

価格は中堅よりも高いですが、無意識に大手商品を選んでいました。

大容量版をぜひとも出して欲しい。

小分けにしたことでヒットを飛ばす総菜部門ですが、逆に大容量版で持ちの良いものをぜひとも出してもらいたい。

というのもスーパーに買物にいくのは週末。となると、どうしても大容量の商品で持ちが良いものを選びがち。

袋詰であればタッパに容器を変えれば、お弁当や夜のおつまみとして1週間のメニューのバリエーションに事欠かない

切り干し大根は単身だと作る気になれない。ので、スーパーに頼りますが分量が少なく食卓にのぼるのは土日のみ。残りの月-金は品数が2-3品とちょっと寂しい。

お客様の声に耳を傾けてくれるフジッコさんなら叶えてくれる気がした次第です。

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えっ、工場もリモートワーク化?

コロナで広がるリモートワーク

働き方改革で在宅勤務を推奨したものの遅々として進まなかったのに、コロナ禍で一気に加速度的に在宅勤務が広まり、今では通常勤務が珍しいという感じすらします。

営業、事務職などは事務所まで足を運ばずして自宅から出動、自宅で作業が可能ですが、工場勤務はそうは行かない。

労働集約型で機械相手の仕事だけにリモートワークは無理でしょうと思っていたらさにあらず。ポツポツとですが、工場のリモートワーク化が着々と進んでいます。

アサヒビールの工場リモートワーク

アサヒビールでは営業職、事務職を中心に約9000人の社員がリモートワークに移行。部署によって約30%以内~50%以内とする目標を掲げました。

次なる目標は工場のリモートワーク化。既にオーストラリアのグループ会社ではコロナ禍以前より工場のリモートワーク化が運用され、社員は自宅にいながらにして設備の稼働状況をチェックできるようにしたとか。

これを国内にも転用しようとわけで、ネットを通じて稼働状況をチェックできる体制を構築。

まずはエネルギーとなる水や電気などの監視チェックを皮切りに、温度調節などのチェックなど徐々にその幅を広げていく計画を立てています。

リコーのリモートワーク化

事務機大手のリコーでも工場のリモートワーク化が進められています。

営業職、事務職系は出社率30%掲げ、工場勤務者では50%を目指すとか。

既に一部の工場ではリモートワークが進められており、組み立て機器に取り付けたセンサーによる情報を自宅にいながらにしてチェックできるとか。

他にも他の工場からチェックできたり、工場勤務者と在宅勤務者との連携など柔軟な体制を整備しているのが特徴。

将来的にはこの仕組を他の工場にも横展開していくとのこと。

セキュリティを強固にしないと・・・。

工場のリモートワーク化で気になるのがセキュリティ。良からぬ人が、このネットワークに侵入して、誤操作などの悪さをして大量の粗悪品、欠陥品を作るように仕向けたら・・・。

当然セキュリティに関しては万全を期していると思いますが、何が起こるかわからないというのがITの世界。

けど、この仕組がトラブルなく運用されれば、工場のリモートワーク化も普及していくこと間違いないでしょう。

気になる省力化。

コロナ禍前は、日本は労働者不足ということで、これまで人間が担っていた仕事を機械に負わせようという風潮があり、特に銀行などではその傾向が顕著でした。

コロナをきっかけにリモートワークが広がることは良いことでしょうが、人間の仕事が奪われるきっかけにもなる。

今は喜んでいられるけど、将来を考えるとちょっと不安になりました・・・。

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選択と集中に逆行だけど何か。キリン

効率重視の企業経営が定着

バブル崩壊、リーマンショックを経て企業経営は効率重視の経営を是としてきました。

多角化経営はその対極にあり、本業でもないビジネスに手を付けて大やけど。新規事業を売却して元サヤに戻るなんて話もよく聞きます。

加えて、 株主などの企業所有者が経営に関与しなくなり、別の専門家が経上の実権を握る資本と経営の分離が進んだことで、もの言う株主が増えたことも効率経営に拍車がかる要因の一つと言えます。

コロナ禍で酒類事業は大打撃

コロナ禍で大打撃を被った飲食業界。特にお酒を提供する居酒屋などは目を当てられない惨状です。

居酒屋向けを得意としていたアサヒビールは、コロナ禍によりスーパードライの売上が減少し、販売数量の首位の座をキリンに明け渡す事態に発展しました。

一方、首位の座に返り咲いたキリンは、宅飲みが増えたことで第三のビール本麒麟がバカ売れ。一人勝ちかと思いきや、前年同月比では約1割減。

キリンもアサヒ同様、苦しい状況にあることは変わらないようです。

キリンを支える、医薬、ヘルスケア事業

コロナ禍でビール事業が厳しいとは言え、他の事業が好調なのはせめてもの救いでしょう。

ビール事業に影に隠れながら、もの言う株主から売却提案を受けても頑なに事業を継続させていたことで、ビール事業の被害を穴埋めできる存在に。

選択と集中と声高に叫ばれている中で、この経営戦略は、これからの企業経営に大きな影響を与えるでしょう。

もの言う株主も沈黙。

株主の英投資会社、フランチャイズ・パートナーズからは医薬事業、ヘルケア事業を売却し、酒類事業に経営資源を1本化という当時では至極まっとうな提案を受けました。

が、3月の株主総会では、大多数の株主が会社側につき、この提案は退けられました。

とは言え、フランチャイズ・パートナーズとしてはも、さもありなんと思ったことでしょう。このコロナ禍で医薬、ヘルスケアが今後成長が期待できる分野。企業所有者としては会社の利益が最優先。

むしろ同分野にもっと力を入れたらとこれまでとは真逆の提案をしてくるかもしれませんね。

慢心せずに次の飯の種を考えいたとは・・・。

医薬事業は、キリンがシェア6割を占める昭和の時代に発足。ビールで培った発酵バイオ技術を応用して新たな飯の種をつくろというのが始まりだとか。

それにしても圧倒的にシェアにあぐらをかかず、新ビジネスの育成に取り組む姿勢、それと諦めずに今の今まで事業を継続させてきたというのは相当体力が必要だったことでしょう。

予測不能な外部環境の変化が起きる時代、もしかしたら、色々と手を出していたほうが、潰しがきくのではと思った次第です・・・。

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優等生子会社なのに売却検討のなぜ?

「まずい。もう一杯」で有名。青汁会社

青汁を一気に世に知らしめたキューサイ。2019年度の売上は約250億円。利益は40億円以上と業績も良いのに、親会社のコカコーラは売却を検討中だとか。

業績が悪くなってから売りに出して買い手が見つからないような残念な事にならないよう早め早めに動いているのでしょう。

両者の利害が一致して子会社化

両者の提携は遡ること約10年前。キューサイは2007年にMBOで上場を廃止。株主となった投資ファンドから全株を取得。これで経営権を取り戻した格好となりました。

が、その後、MBOを組んだファンドの出口戦略を迎え悩んでいた所にコカ・コーラーとの提携の話が浮上しました。

コカ・コーラー側は、当時飲料事業が大苦戦。利益率も悪化し、どうしたものかという所に、相対的に利益率の高いキューサイがまばゆい希望の光に見えました。

という訳で、両者の利害が一致し、キューサイはコカ・コーラー傘下として事業を推進することになったのです。

10年経つけど相乗効果はほぼなし。

提携直後は、健康食品と飲料による相乗効果を発揮したいと意気込んでいたものの、10年間でコラボ商品は、ミニッツメイド おいしいフルーツ青汁のみといった状況。

なかなか結果が出ない状況もあってか、売却を検討しはじめたのだと思います。

加えて米国からの親会社は、そもそもこの提携は反対していたようで、提携後も提携解消を迫っていたようで、それも影響しているかもしれません。

優良企業だけど、値段で二の足を踏む

で、テスト的に売り出されたキューサイの買収額は300億~400億円。

優良企業だけに、引く手数多と思いきや、数百億円を出して買う企業でもないという反応はイマイチ。

健康食品関係はリピーターも多く、安定した売上が見込めます。コロナ禍でさらに健康に対する意識も高まっています。

加えて販路は通販が主体で、コロナの影響も少ない。

となると、2019年度のレベルの売上を継続的に達成できる力を持っており、10年立つ前に買収金額は回収できちゃうじゃんと思うのですが・・・

どこへ行く、青汁会社

このままコカ・コーラー傘下のままで行くのか、はたまたコカ・コーラの好敵手サントリー傘下に鞍替えするのか、もしくは異業種の健康系企業に買収されるのか、今後の動向を注視していきたいと思います。