「ごはんですよ」を調味料に。新発想で復活。老舗桃屋の挑戦

飲料食品メーカー
桃屋

小さい頃から食卓には必ず「ごはんですよ」

メガネをかけたキャラクターでおなじみのごはんですよ。今から40年前、僕が小学校に上がる前から食卓にのぼっていました。

桃屋

商品寿命が短くなってきている昨今で、40年以上も販売し続けるということは、とてつもなく凄い。

とは言え、そんな人気商品を持っているのに桃屋自身、そこに安住するわけでもなく、むしろ危機感いっぱい。

ピークは1980年代。今の売上高は1/3

2020年に創業100年を迎えた桃屋。ごはんですよは1973年に発売されたので、桃屋の歴史から見れば、若手といったところでしょうか。

1980年代には売上高300億円でしたが、2013年には112億円までただ滑り状態。

2009年に発売した大ヒット商品食べるラー油を持ってしても、売上高の減少は補えませんでした。

とは言え、直近の業績はと言えば7期連続で増収増益と絶好調。ピーク時には遠く及ばないもの、勢いを取り戻したのは事実。

今なお続く営業改革が功を奏したと言ってもいいでしょう。

新商品ではなく既存商品を育成するという新発想

コンビニなどでは新規出店することで業績を伸ばしていくのが定石。商品も同じことが言え、新商品を矢継ぎ早に出すことで売上を維持、また伸ばすというのが一般的です。

桃屋も一時期、このような考えに染まりつつありましたが、いや待てよと。既存商品もまだ捨てたもんじゃないよと。まだまだ手にしていない、食していない消費者は多いはずという視点に立ち営業活動を推進。

これが今に繋がる7期連続増収増益の始まりだったのです。

試してみたい。ごはんですよチャーハン

既存商品の育成で手掛けたのが、桃屋商品を使った料理レシピ。これまではごはんですよにしろ、食べるラー油にしろ、それ自体をおかずとして見ていました。

が、これらの商品を調味料として扱うことで、グーンと桃屋商品を口にする機会が広がります。

特に気になったのが、ごはんですよチャーハン。どうも味にパンチが足りないなと思っている人には、うってつけかも。多少の塩っけと味に深みが出て、在宅勤務でランチのバリエーションを増やしたい人にとっては試してみる価値ありです。

桃屋

営業部隊が中心となって開発されたレシピは今や360以上。ってことはほぼ1年分の桃屋を口にする機会ができたということになります。

桃屋

売り場を抑える。売り場が大事というスタンス

限られた棚を抑え死守し、あわよくば、より目立つにように陳列して欲しい。どのメーカーの営業も血眼になって交渉を進めるわけですが、基本的にチェーン店などは本部との折衝が一般的。

店舗に足を運んでも本部の指示による所が多く門前払いされることも・・・。

が、桃屋の営業部隊は、粘り強く交渉することで棚確保に成功。最近では店舗に任せるチェーン店も多く、結果的に桃屋にとって追い風になっていることでしょう。

桃屋では、桃屋の特設売り場を設けることを営業の評価基準に上げているとか。営業にとっては非常にわかりやすい評価基準。特設売り場を開くには相当な体力が必要ですが、実現にこぎつけた時の喜びはひとしおでしょう。

色々な示唆に富んだ桃屋の取り組み。ブランドとして古いイメージしか持っていませんでしたが、この記事に触れ、イメージが変わりました。

近くのスーパーでは、どんな売り場になっているのか早速見に行ってきます

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