選択と集中に逆行だけど何か。キリン

医薬飲料食品メーカー

効率重視の企業経営が定着

バブル崩壊、リーマンショックを経て企業経営は効率重視の経営を是としてきました。

多角化経営はその対極にあり、本業でもないビジネスに手を付けて大やけど。新規事業を売却して元サヤに戻るなんて話もよく聞きます。

加えて、 株主などの企業所有者が経営に関与しなくなり、別の専門家が経上の実権を握る資本と経営の分離が進んだことで、もの言う株主が増えたことも効率経営に拍車がかる要因の一つと言えます。

コロナ禍で酒類事業は大打撃

コロナ禍で大打撃を被った飲食業界。特にお酒を提供する居酒屋などは目を当てられない惨状です。

居酒屋向けを得意としていたアサヒビールは、コロナ禍によりスーパードライの売上が減少し、販売数量の首位の座をキリンに明け渡す事態に発展しました。

一方、首位の座に返り咲いたキリンは、宅飲みが増えたことで第三のビール本麒麟がバカ売れ。一人勝ちかと思いきや、前年同月比では約1割減。

キリンもアサヒ同様、苦しい状況にあることは変わらないようです。

キリンを支える、医薬、ヘルスケア事業

コロナ禍でビール事業が厳しいとは言え、他の事業が好調なのはせめてもの救いでしょう。

ビール事業に影に隠れながら、もの言う株主から売却提案を受けても頑なに事業を継続させていたことで、ビール事業の被害を穴埋めできる存在に。

選択と集中と声高に叫ばれている中で、この経営戦略は、これからの企業経営に大きな影響を与えるでしょう。

もの言う株主も沈黙。

株主の英投資会社、フランチャイズ・パートナーズからは医薬事業、ヘルケア事業を売却し、酒類事業に経営資源を1本化という当時では至極まっとうな提案を受けました。

が、3月の株主総会では、大多数の株主が会社側につき、この提案は退けられました。

とは言え、フランチャイズ・パートナーズとしてはも、さもありなんと思ったことでしょう。このコロナ禍で医薬、ヘルスケアが今後成長が期待できる分野。企業所有者としては会社の利益が最優先。

むしろ同分野にもっと力を入れたらとこれまでとは真逆の提案をしてくるかもしれませんね。

慢心せずに次の飯の種を考えいたとは・・・。

医薬事業は、キリンがシェア6割を占める昭和の時代に発足。ビールで培った発酵バイオ技術を応用して新たな飯の種をつくろというのが始まりだとか。

それにしても圧倒的にシェアにあぐらをかかず、新ビジネスの育成に取り組む姿勢、それと諦めずに今の今まで事業を継続させてきたというのは相当体力が必要だったことでしょう。

予測不能な外部環境の変化が起きる時代、もしかしたら、色々と手を出していたほうが、潰しがきくのではと思った次第です・・・。

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