凶悪犯罪者を題材にした作品?
作品のタイトル通り、主役は悪人。若い女性を殺してしまった殺人犯です。演じるのは妻夫木聡。
スペックはと言えば、親と同居している解体業者に勤める20代男性。お友達も少なく正確もおとなしめ。唯一の趣味は車といった所。
で、出会い系サイトで知り合った女性を殺めちゃったということで、話が展開していきます。
犯罪者を描くというのは何かしらの正当性がないと無理がありますが、この作品、この事件を軸に家族愛、恋人愛、夫婦愛が描かれており、胸に迫るものがありました。
まずは恋人愛
女子大生は殺めた直後に、それまで出会い系でやりとしていた女性からメールが届きます。
その女性を演じるのが深津絵里。人生の中で大恋愛の経験がなく、やや人生に潤いが足りずここ最近人を好きになったことがないといった感じ。
勇気を出して彼女から会うことになります。それまでメールでやりとしていたこともあり、お互いにすぐに打ち解け、その日のウチに一線を越えてしまいます。
最初は遊びだよと強がっていた妻夫木君も次第に、彼女への想いがつのり、本気で好きになり、深津絵里もその想いに呼応するかのごとく、あなたなしでは生きていけない位にヒートアップしていくのです。
異性を想う気持ちはこんなに強いものなのかと感じました。
家族愛もたまらない
娘を亡くしてしまった親子。大事に大事に育ててきた子供が一夜にして亡きものになってしまう、悲しさ、つらさがリアルに描かれています。
そもそも娘が殺されたのも、山中に置き去りにした大学生が原因。
その彼を尾行し、娘を返せと詰め寄るシーンは、子を持つ親として当たり前の行動と取ることでしょう。
なんなら、命を取ってやりたいという仇討ちにも似た感情です。
一番胸が傷んだ樹木希林の演技
妻夫木君の母親役が樹木希林です。実の親ではないけれど、育ての親として長きにあたり、妻夫木君の面倒を見てきました。
さらに旦那は大病を患い入退院の繰り返し。
そんな中、家族のために一生懸命働く姿は胸が痛みます。
悪徳業者に捕まって、お金を騙して取られたシーンは辛くて辛くて・・・。で、追い打ちをかけるかのように息子は指名手配されちゃうわで・・・
相当な心労だったことが伺えます。
まとめ
子を想う親、パートナーを想う夫婦愛、そして恋人を想う愛などなど。タイトルだけでは想像付かない泣けるシーンが数多く散りばめられています。
これを観ると家族、恋人への接し方も変わると思います。
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