無実を証明したかっただけなのに・・・
家族を殺した罪で逮捕された男の無実を証明すべく、何度も拘置所に足を運び、彼からも様々な資料提供を受け、これならば無実を証明できると思ったのに・・・
法廷ではまさかの自分がやりましたとの発言に、空いた口が塞がらない。
これまで彼の取材に費やした時間を返せとばかりに激高する元ニューヨーク・タイムズの記者。
彼が怒るのも無理はありません。というのも失業中だったのですから。
この本を出版することで、食い扶持ができたと言うのに・・・。
解雇されちゃったのは捏造記事
ニューヨーク・タイムズ時代は会社からも一目置かれる存在ほどの優秀な記者でした。
そんな彼が、アフリカの取材した際、不法労働記事だったと思いますが、色々な人から聞いたネタを、ある1人の労働者の身に起きた話として記事をとりまとめました。
ネタ的には大反響で、さすが敏腕記者とさらに彼の名を挙げましたが、読者から捏造ではという投稿が・・・。
これを知った上層部は彼に事の詳細を確認すると、あっさりと捏造を認めました。
謝罪記事を書けと上層部に言われるも、記者としてそれは自分の仕事を否定するようなものと拒否。
会社としては示しがつかないことから、彼を解雇しました。
そんな矢先に舞い込んできたのが、冒頭の無実を証明する殺人事件だったのです。
冤罪を主張する彼は信じるでしょう。
そもそも彼とのつながりは、逮捕された時に、記者の名前を語っていたから。何かしらの関連があるかと思ったら、全くのアカの他人。聞けば、この記者のファンだったようで、なので名を借りたと。
彼の言葉の力を借りれば、自分の冤罪が主張できると。
記者冥利に尽きる言葉をいたただき、君のために人肌脱ぐよとなったわけです。
取材を進めると、家族を守るために、この先は言えない。妻に迷惑をかけると意味深なことを言って記者の心を弄ぶ。
記者も、これは売れるとばかりにどんどんと彼のペースにハマっていくわけです。
今も続く2人の関係
裁判にて死刑が決まりましたが、その後も週1回位のペースで彼の所に足を運び取材をしているそうです。
虚言癖なのか、妄想癖なのか、彼本人の人間性を知ることに軸足を置いて取材している感じがします。
事件は死刑と言う形で幕を閉じましたが、彼自身の心の闇の解明はこれからといった所なのでしょう。