中期計画を発表したは言いけれど・・・
大企業ともなると、今後の経営戦略等を外部に公表しなければなりません。
それにより市場から資金を調達できる訳です。個人で起業するのもそうですよね。事業を始める前に、まずはお金がないと始まらない。ので、銀行に事業計画書なるものを提出して、融資してもらいます。その出来不出来によってはお金を借りられなくなったり、想定して資金を満額借りられないこともあります。
今回のお題となる日本航空の事業計画と呼べる中期計画がどうも市場の受けが良くないというもの。
ライバルのANAと比較すると、中計発表後、両者の株価に明暗がはっきりと出ています。日本航空が下がる一方に対し、ANAは発表前に比べ上げ上げ状態。
この受けの悪さは何が原因なのでしょうか
成長への投資が少ないよ
企業活動は常に成長を求められていますが、日本航空が発表した中計は、その部分が弱いと市場では評価されてしまいました。
まず成長への投資とみられる設備投資額が、現状とほぼ横ばい。4年後の営業利益は、2016年には及ばない。
このような状況を見て、市場からは、「どうしたんだ、日本航空」と捉えられたのでしょう。
というのも、純利益、有利子負債、利益剰余金ともに、ライバルANAをしのぐ数字。のに、一方のANAは頑張っているのに、日本航空の中計はあまりにも慎重に移ったのでしょう。
拡大路線の声も社内にはあったけど
2010年、日本航空は、会社更生法を適用し、国の庇護を受けながら再建の道を歩み見事、再上場に果たすまでに復活したのですが、国に面倒を見てもらう間は、大型投資や路線開発を制限され、ライバルのANAと差はドンドンと広がっていきました。
今は、その制約も外れ、「さぁ、ライバルANAの迎撃だ」という声もありましたが、社内の慎重論に押し切られる格好となりました。
これを市場は弱気と評価し、株価下落という結果を招いたのです。
個人的には慎重論賛成
一度、会社を潰していることもあり、拡大路線をしいて失敗しようものなら、国民からの非難轟々も必至。そういった事情もあると思います。
再建を果たしたと言っても、まだ日は浅いですし、もうしばらくの間は、土台固めに力を割き、盤石の状態で成長戦略に乗り出すでもよいと思います。
慎重戦略か拡大戦略か意見が割れるところですが、どちらが正しいかは歴史が証明してくれるんでしょう。
とにかく大企業とはかくも市場の目にさらされ、大変な思いをしているのは改めて感じました。
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