時は世界大恐慌真っ只中
ちょうど世界恐慌起きて夢や希望も失われた時代に彗星のごとく現れた競走馬、シービスケットとそれを取り巻く人間の物語。
しかも本当にあったお話というのだから泣けてくる。
大器晩成型のシービスケット
そもそもこの名馬も若かりし頃はそれはそれは苦労の連続でした。
血統は折り紙付きなものの、中々成果を出せない。ポテンシャルは半端ないのに、それを引き出す術を調教師もジョッキーも持っていなかったわけです。
まるでプロ野球選手の戦力外通告を受けた選手の人生のごとく現役を引退し、バッティングピッチャーとして再起を図るような毎日。他の競走馬が気持ちよく勝てるように途中でスピードを落としてみたりと、そんな競走馬にはいらない技を仕込まれ続けたものだから、本来の才能が錆びつくばかり。
が、わかる人にはわかるようで、名調教師の元で、再び競走馬にカンバックしたのでした。
ジョッキーもこれまた天才肌
シービスケットに鞍上のレッド。こちらも才能はあるのに、肝心な所で負けてしまい、干されている状態。
彼も名調教師に見出され、再びジョッキーの人生を歩むことになります。
こうして両者は偶然にも同じ境遇の人生を歩む奇跡的なドラマが起きます。
再び奇跡
破竹の勢いで連勝を飾るシービスケット。ジョッキーも馬も全米一の人気者となり、マスコミ各社も彼らに注目。
そして当時競売の世界で実力NO.1の馬と戦うことに。
が、ギリギリの所で負けてしまい失意のどん底に。実話だけに、そうカンタンに話がうまく進むわけでもなく初めての挫折を味わいます。
そこで再戦を実現させるべく、馬主のマスコミをも巻き込んだ大宣伝を展開。世論の声が高まり引くに引けない状況をつくり、何とマッチアップが実現します。
まず日本で見られない二頭だけによる戦い。
ギャンブルの枠を越えて、純粋にどちらが強いかを決める試合に全米が大盛り上がりを見せます。
ところが、こんな世紀の対決を前に、ジョッキーのレッドが不慮の事故にあい、大事な試合に出場できなくなってしまいます。
ジョッキー生命は危うしの大怪我に見舞われるという人生のどん底に再び突き落とされることに。
シービスケットも挫折
シービスケットも、大事なマッチアップのレースには勝ったものの、その後のレースで足を怪我し、競走馬人生を終えることに。
ジョッキーの大怪我を追うかのごとくシービスケットも大怪我をして競走馬人生を終えることとなったのでした。これが2回めの大きな奇跡と言えるでしょう。
で、モヤモヤとした感じで本作品が終了するのかと思いきや、3回目の奇跡がクライマックスに起こります。
これでもかの奇跡の連続に感動を覚えました。