久々のトランプ節炸裂
国内の雇用を守るという理由からでしょうか、鉄鋼の輸入に関しては関税措置を行うということで、新聞でも大々的に報じられていましたね。
対象国は、日本をはじめ中国などなど。これには各国から猛反発を喰らうも、トランプさんは反省する素振りもなく、2017年3月23日に発動されます。
これで日本の鉄鋼メーカーも大打撃かと思いきや、関係者は至って冷静のようで、やや安心してしまいました。
そもそも輸出量は数%
日本から米国への輸出量は約190万トンで、国内生産の約2%に過ぎないとか。自動車とは大きな違いにビックリさせられましたが、物凄く少ないんです。
加えて、輸出する鉄鋼は、電磁鋼板というもので、米国の鉄鋼メーカーで生産している会社はごくわずか。
米国に向けては高付加価値製品を輸出しているようで、しかも競争相手も少ない。高関税をしくことで、逆に困るのは米国企業では?とも言われています。
中国もごくわずか
ひと昔前までは、中国の粗悪な鉄鋼製品が世界をかけめぐり大きな値崩れを起こしました。中国国内でも過剰な鉄鋼生産が話題となり、環境汚染なども起こし、社会問題化しました。
が、今では、鉄鋼メーカーもかなり淘汰されており、一時期に比べ鉄鋼価格も落ち着きを取り戻しています。
ならば、米国にとってもあまり害は少ないかなと。加えて、米国の鉄鋼輸入量に占める中国の比率はわずか2.2%と、日本のそれと比べると約半分。じぇんじぇん、米国企業を脅かすような存在ではないんですけど・・・
実は迂回輸入が多い
日本、中国以外の輸入先となると、韓国、台湾、ベトナムなどがあり、こらの国々も関税国の対象になっているのではないでしょうか。
で、この輸入した鋼材の多くが、その国で生産されたものに加え、中国製の鉄鋼も含まれているそうです。
なので、わずか2.2%の輸入量としても、迂回分を含めると、メイドインチャイナは、それなりに分量はあるかなと
で、今後の日本の対応は?
国内の鉄鋼メーカーが現在力を入れているのが、世界をまたにかけた生産体制の構築。これに各社、注力しているとか。
新日鉄住金は仏の鉄鋼メーカーと組んで、インドの鉄鋼大手を買収したり、JFEホールディングは、ベトナムで合弁事業を立ち上げるなど海外進出が盛んに行われています。
ってことは、日本もまたこれらの海外から、米国へと迂回輸出。蓋をあけてみたら、結講な輸出量になっていたなんてこともありえます。
トランプさんはそこまで読んでの関税措置だとしら、今後さらに締め付けが厳しくなるかもと思った次第です。