満を持しての夏川結衣主役
今回でシリーズ3作品目となる家族はつらいよ。個性豊かなキャストの中にあって、一番まともな存在のママ役こと夏川結衣。
自己主張の強い家族の中だからこそ、控えめな感じが一層彼女を際立たせる感じがします。
ということもあって、彼女の演技にばかりが目が行き、今回はその彼女が主役。
これまでは家族のために尽くしていたママが、自分の人生を見つめ直し、これまで描かれていなかった彼女の心情、家族への思いが前面に描かれています。
今回は主婦って色々あるのよ問題
前回の作品では高齢者ドライバー、無縁仏という社会問題が描かれていましたが、今回は主婦という職業が社会問題がメイン。
主婦となると、昨今では家事をシェアするなど、家事がいかに重労働であるかが再認識されています。
pが、本作品ではママの家出を通して、その職業の大変さを家族で見つめ直そうという深い話に昇華しているのがポイント。
一方で主婦ならではの悩みも。四六時中家という空間に居て、家事に追われ、稼ぎは夫に頼る。そんな生活から解放されて自分で働いてお金を得るということに憧れている心情が新鮮に映りました。
いなくなって気づくママの大きさ
食事、洗濯、お掃除、これまで当たり前と思っていた整然とされたお家の中が、ママがいなくなった途端、家の中は乱れ、テーブルの上は食べたものがそのままという状態
弁当を作ってくれる人もいないので、子どもたちにお金を与えて済まそうとするパパ。コンビニ弁当で夕食を済まそうとする息子たちと、どんどん家族が荒んでいく感じが妙にリアルに感じました。
子供達に与える影響って大きい
ママが家出してしばらくすると子どもたちから離婚しちゃうの?という不安の声が漏れ始め、子供にとってはかなり深刻な事に映るんだなと気付かされましたね。
「僕はママについていくよ」というセリフを聞いて、子どもたちも内面ではすっかり大人だなと感じました。
何だかんだ言ってよくできた家族だよ
とにかくママを家出に追い込んだパパを家族、親戚一同で猛バッシング。
とは言え、みんなの口撃に萎えるパパではなく、むしろ被害者はこっちの方だと謝ることなど微塵も考えていないパパ。
これって最終的に収集がつくのかなと不安にもなりましたが、そこは深い結束力の家族。
親身になって説得する姿は、胸にジーンときちゃいました。
会えば喧嘩が絶えない家族ですが、ここぞという時は半端ない結束力を見せる家族。
温かさを感じました。