売れっ子じゃない漫画家だけど
あと1話で完結。完成すれば単行本が発売されるというのに、全く作品創作に向き合おうとしない主人公。
漫画の内容はネコを扱ったものですが、本人は大のネコ嫌いということもあって中々筆が進まない。
ので、新作を編集部に提案するもあっさりと却下。さらに創作意欲を失い、毎日家の周りをブラブラするかパチコ、競艇などのギャンブル三昧。
絵に書いたようなダメ親父でした。
ギャンブルで大儲けしたけど・・・
そんな堕落した生活を天罰が下ったのでしょう。競艇で大儲けした直後にまさかの交通事故死。
幸福の絶頂から不幸のどん底に突き落とされるといった事態になります。
家族もあまりもの急な展開に自室呆然。葬儀の時は涙一つ見せないという有様でした。
神様裁判官の判決はネコ
こんなことが実際に起きるんだったら面白いなと思ったのが、死後1ヶ月間は別の生き物に転生して現世に舞い戻ることができるというもの。
で、転生先を決めるのは神様裁判官。これまでの人生の行いを鑑みて、転生先を決めるのですが、主人公に下された判決はネコ。
これまで悪行を反省しなさいという意図も含まれていますが、よりによって自分が忌み嫌う生き物とは・・・。
こうして主人公は1ヶ月間、ネコとしての暮らしを余儀なくされるのでした。
ネコって言っても着ぐるみですか・・・
男女の入れ替え、パパと娘の入れ替えなどなど、この手の作品と同じフォーマットなのが本作品。
人間からネコに入れ替わった訳ですが、これまでの入れ替えは人間から人間だったので絵的に成立させるのは可能でしたが、動物となるとこれまた大変。
ハリウッド映画なら予算もあるので、CGを使ってネコ人間ができるのでしょうが、本作品は予算が厳しいかったのか、何と着ぐるみを使ってネコを表現。
他のネコもこれまた着ぐるみ。街を牛耳るボスネコも、群がる子分たち。盛りのついたメス猫も全て着ぐるみによるもの。
が、人間の目には映るのは動物の猫。
ちゃんとエクスキューズを入れて説明していましたが、これがちょっと苦しいものがありました。
ある意味、見る側につっこませる事を想定した作りだったかもしれません。
キスマイを声だけ出演させるのもまずいでしょうという配慮が入ったかもしれませんが・・・。
最後のご奉仕。鶴の恩返し
というわけで、猫となった主人公は、家族に拾われ一緒に住むことになります。
家族の自分に対する愛情を知り、このままではいかんと猛省。
神様裁判官にお願いして1日だけ人間になることを許されます。
限られた貴重な1日を何に使うのか。ギャンブルで大儲けして残された家族の生活費を稼ぐのか、はたまた最終話を書き下ろすのか。
まるで鶴の恩返しのようなラストを迎えます。
それにしても多部未華子の演技に初めて触れましたが、彼女が重宝されるのはわかる気がしました。
とにかく演技がうますぎる。本作品は個人的にはイマイチでしたが、多部未華子に出会えたことは大きな収穫でした。