半導体をめぐる日本と中国の違い

半導体IT業界

売上高トップ10を独占。日本企業

今では考えられないお話ですが、その昔、日本の半導体は世界を席巻。

1986年の半導体メーカーの売上高では世界トップ10に日本企業が6社も。日本製で約70%も占めていました。

それが今では、辛うじて元東芝のキオクシアだけとなり、韓国、台湾勢にごぼう抜かれ。

韓国勢、台湾の猛追に気づいた時には、時既に遅し。エルピーダメモリ、ルネサステクノロジと連合企業を組むも惨敗。

この急速な衰退の要因としては、1986年の日米半導体協定。この協定が終わりの始まりだったのでしょう。

頑張らなくていいが技術低下を招く

あまりにも好調すぎる日本に対し、米国がかみついたのが事の始まり。理由は日本が不当に廉価な半導体販売を行っているというもの。

いやいや、それは企業努力の賜物ではあって、競争を歪めるような価格設定していないというのが日本の言い分でしょう。

が、米国の言われるがままに、大人の対応した日本は日米半導体協定を受け入れることにしました。

米国との間で、日本市場における外国製半導体のシェア拡大。それと公正販売価格による価格固定が決められました。

特に後者の価格固定が技術力低下を招いたといってもいいでしょう。そもそもの固定価格がそれまでの価格よりも高めに設定されている。

ので、その環境に安住してしまったのか、技術開発がおろそかになってしまったのです。

そこうこうしている内に、縛りのない韓国勢、台湾勢が低価格の半導体を開発。気づいた時には、低下価格の半導体づくりを持ち合わせておらず一気に衰退の道を歩んでいきました。

日本の二の舞?米国に睨まれた中国

歴史は繰り返されるとでも言いましょうか、今度は中国が米国の標的となり、日本よりもさらに厳しい対応を迫られています。

ファーフェイ製の5G機器の使用禁止にはじまり、部品メーカーに対しては輸出禁止などなど、販売さえ許されないという厳しい状況におかれています。

が、中国はこの米国の厳しい措置に真っ向勝負。日本が米国の言いなりとなり衰退した過去を教訓したのか、自国の技術でこの難局を乗り越える姿勢を打ち出しました。

中国製造2025の錦の御旗を掲げて

2015年に発表した中国製造2025で、半導体の国産化を20年に40%、25年に70%までに引き上げることを発表。

2019年のそれが約15%と考えると険しい道に見えますが、ハイシリコンや紫光集団など力をつけている企業もあります。

加えて中国政府による資金面などのバックアップも心強い。

仮に国産化が強まると困ってしまうのが日本勢。大口顧客を失ってしまうことになるのですから。

てなわけで、屈した日本と立ち向かう中国の姿勢を比較した訳ですが、試合放棄するよりも、とりあえず当たって砕けろの中国の姿勢に共感を覚えました。

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