社長のひと声に翻弄されたソニー生産革新活動

ソニー テレビ電機業界

第三者から見ればムダは色々とあるもの。

実際に仕事をしていると実感しないムダ。けど、第三者から見ると至るところにムダがあるもの。

ムダが解消されれば、時間も短縮されるは、人件費も浮くはで、良いことずくしなのに、これが中々手をつけられないというのが現状。

元ソニーマンの活躍

世の中には仕事のムダ取りを専門に扱う会社があり、創業者は元ソニーの方。

工場の生産から、事務的な業務まで幅広い職場を改善しながら、しっかりと結果を出していいます。

それもそのはず。ソニーには生産革新活動なる部署があり、その部署にこの方は在籍していました。

産声をあげたのは1991年。

活動期間は1991年から2005年頃。この間、浮かせた人員は5,000人超

浮かせたスペースは1万5,000㎡

といった具合に凄まじい成果を挙げました。

隆盛期は1991年~1995年。

この部署が最も輝いてたのが部署が立ち上がった当初。工場からベルトコンベヤーというムダを排除し、ソニーの生産革新の代名詞「セル生産方式」が生まれます。旗振り役が会社のNO.2だったこともあり、ムダ取りが大きく前進しました。

ところが社長交代で雲行きが怪しくなりました。

出井さん時代では日陰部署に

生産革新活動も軌道に乗り、これからという矢先に、会社方針はヒット商品の開発やマーケティング重視に方向変換。

生産革新は二の次となり、社内における存在感も失われていきました。

ストリンガー時代にトドメをさされる。

ストリンガー時代になると徹底した成果主義が導入され、かつ国内工場の閉鎖が相次ぎました。

改善活動への関心も薄れ、生産革新活動を支えたスタッフもどんどん退社していきました。

ムダ取りは必要

好景気と言っても、まだまだデフレ状態。

簡単に値上げとは行かない。だから、人件費を下げて利益を捻出しようと努力を積み重ねているわけです。

生産活動も一緒。ミニマムの人数で仕事をこなしてムダを排除。結果的にコスト削減に繋がります。

わかっちゃいるけど忙しいあまり、全く改善活動に動けない・・・。というのが、今の日本企業の実態なのでは?と思った次第です

日経ビジネス NO.1780より

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