雇用数最大の飲食業界を守らなければ。制度の改定が必要かも。1日6万円では・・・

過去最多の倒産数、飲食業界

コロナ禍でほぼほぼ狙い撃ちされている飲食業界。20時までの時短要請などなど取り巻く環境は一層厳しさを増しています。

2020年10月時点の飲食業の従事者は約400万人。2019年から比べると約30万人ガ職を失った計算になります。

雇用を調整して何とか踏みとどまっているのはまだ良い方。倒産を余儀なくされるお店も多く、帝国バンクによると負債1000万円以上で倒産した会社は780社と過去最多。

借金を抱える前に店じまいという会社も含めれば、その数はさらに増え、1000社を超えるのでしょう。

職を失った人達は小売業へ

コロナ禍で大幅にシフトを削られ、収入が減った、あるいは店自体が倒産して職を失う人などなど、その多くは非正規労働者が中心でしょう。

そもそもパートやアルバイトが多い飲食業界。雇用調整で真っ先に対象になることは飲食業界を問わず、これまでにもありました。

で、職を失った彼らが向かう先はと言えば、コロナ禍でも好調さを維持している小売業界。

飲食業界同様、コロナ禍前から人材不足に苦しんでいた小売業界ですが、ここに来てその悩みが解消に向かいつつあります。

ローソンは20年4月の応募件数が前年同月比で約2.8倍。ちょうど最初の緊急事態宣言にあたる期間になります。その後も1.4ー1.8倍も衰えことなく推移し、ファミリーマートでも同様の傾向が続いています。

スギ薬局も20年4月からの9ヶ月間でアルバイトが約4000人増え、ニトリも新規に45店舗出店するも人集めには苦労していないとのこと。

といわけで、相当数の飲食従事者が小売業界に流れていることが伺えます。

一度離れたら、二度と戻ってこないのでは・・・

飲食業界側見れば、高いコストをかけて集め、育てた従業員が去っていくのは歯がゆい気持ちでいっぱいでしょう。

お給料を支払うことができればつなぎとめることもできますが、無い袖は振れない状態。

最も恐れられることは、コロナ禍終息後に、悲劇的な人材不足に陥らないかという点。

小売業界に転職した元飲食従事者も、職場で経験を積み雇い主側もそう簡単に手放すことはしないでしょう。

雇われ側としても、コロナ禍に弱い業界、収入が不安定な業界というイメージが離れず、再び元に戻るというのは考えにくい。

支援体制の見直しが必要かも

時短要請に応じたお店に対して、雇用調整助成金など1日当たり6万円を支援し、飲食業界を何とか支えている状態。

とは言え、一律6万円という制度設計自体に、家賃の足しにもならないという声もあれば、十分すぎるお店まで様々な声が聞かれます。

雇用数が他業界に比べ突出している外食業界を守るためにも、支援体制を規模に応じて変えるなど制度の更新が必要かと思います。

約400万人の雇用を守るという点に立てば、必要かなと思った次第です。

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