オフィス内のメール屋さんがいなくなるかも
ビル丸ごと1社で所有しているような大企業にとっては朗報と言ってもいいでしょう。大企業ともなれば中小零細企業のように宅配のお兄さんから直に荷物を引き取れない。
一旦、メールボックスというお部屋に荷物が置かれ、そこから各フロアのスタッフが自分の部署の荷物をピックアップするという流れ。大概その部署の若手が担当することが多いけど、これが地味に負担となっていました。
そんな若手にとって朗報なのが、このお荷物を自分の部署まで運んでくれるロボットが実用化に向けて開発が進められているという。
このロボットが凄まじく賢くてエレベーターの乗り降りから社内セキュリティドアの解錠などもこなし、荷物を届けてくれる。加えてロボットが相互に連携して、荷物の引き渡しなどもこなしてくれる。
これが実用化されれば、多くのオフィスが入居するようなオフィスビルにも応用でき、爆発的な需要が期待できます。
利用が進む病院。看護師に方々にとっても有り難い
オフィスの荷物配送の他に、既に病院ではこの搬送ロボットがゴリゴリに利用されています。
大学病院ともなれば、とてつもない広さとなり、薬剤室や診察室、ナースステーションなどなど日夜、薬剤や検体の移動が頻繁に行われています。当然、病院で働く人の負担も大きい。本来の業務そっちのけでもの運びに時間を取られてしまうということもあるでしょう。
三菱電機の開発したロボットは検体や薬剤などを収納する箱を取り外し式として、ひとまずかごを取り外して保管。これによりロボットの稼働率を上げられるというもの。固定式ともなればしばらくの間、荷物の届け先で待機を余儀なくされ、稼働率が落ちてしまう。
かごなし搬送ロボットも今度は自分の頭にかごをつけて再び搬送業務に戻るのでしょう。
搬送ロボットって一体何者
この自走式宅配ロボットは、そもそもステレオカメラや距離画像センサー、光の反射を利用して物体との距離を測るライダーなどを搭載して周囲の状況を認識してマッピング。最適なルートを計算して走行しているので無駄がないとか。
恐らく自動掃除機ルンバも、これと同じ仕組みで動いているんでしょう。
課題と言えば、高低差があるフロアなど。基本的に搬送ロボットはフラットな走行面を走ることが前提。ちょっとした段差があると乗り越えるできない。
これまでは屋内での使用をメインに開発されていましたが、屋外向けの開発も徐々にではありますが進み始めています。
屋外での走行ということでちょっとした段差、登坂性能も持つ、屋外版のタフネス版といってもいいでしょう。
経済産業省による公道の実証実験の枠組み化をしたことで、屋外版ロボットの開発も進むと見られています。
屋外ともなると雨など天候問題もからみ、さらなるタフさが求められますし、ハードルも上がる一方ですが、参入企業が多いだけにこの点も早々にクリアされていくと思います。
他にも複数台の同時監視や遠く離れた場所からの遠隔操作の実験など、搬送ロボットをめぐる開発はさらに広がりを見せています。
ロボットが人間に変わって買い物してくれる。そんな未来になったら、スーパーはロボットだらけになるんでしょうね。ちょっと怖い光景ですが、見てみたいとも思った次第です。