環境配慮型商品はこれまで展開してきたけれど
環境配慮ともなると、まずはじめに想起するのがプロダクト系。クルマがその最たる例になるけれど、小売の最大手イオンでもこれまで環境配慮型の商品を数多く取り揃えていたとか。恐らくPB商品中心かと思いますが、意識高いなと関心しました。
ところが、それだけではイオンユーザーは納得しないというのが今の御時世。イオンの中の人曰く、これまでよりも環境意識の高い消費者は増えているとのこと。
特にイオンを利用されているお客さんには、環境意識の高い方々が多いようで、個人株主の多いイオンの総会では、まだまだ環境への取り組みが手ぬるいという手厳しい声も聞かれるようです。
売り場も変えていく。環境配慮型店舗
といった株主、消費者の意識変化を受けて、イオンは2030年までに自然エネルギーの導入比率を50%に引き上げる目標を掲げ混ました。
この度、政府が2013年比二酸化炭素50%削減を発表しましたが、このイオンの取り組みは政府にとっても大変有り難い取り組みに映ることでしょう。
自然エネルギーの導入比率は現在1%。残り9年で49%分に取り組まなければなりません。
一見、絵に描いた餅のように聞こえますが、着々とその準備は進められ、しっかりとシミュレーションした上での数字であることが伺えます。
全国で約400店近くある店舗のエネルギーを再生エネルギー100%に切り替えるとのことですが、既に4店舗で完了しています。
この4店舗で得た知見、ノウハウを活かしきれば、再エネ切り替えのスピードアップも早まり、残り396店舗も10年かけて、いや前倒しで完了しちゃうかもしれません。
再エネ利用を加速させる魔法の仕組み。PPA
店舗の外壁や駐車場の側面などに太陽光パネルが取り付けられ、店丸ごとで太陽光エネルギーを吸収しちゃうという究極装置。
しかも、この太陽光パネルの設置はPPA(電力販売契約)事業者によるもので、イオンは場所を貸して電気代を払えばいいというもの。
保守・管理はPPA事業者がしてくれるので費用の発生はなし。
これを一般的な戸建て住宅に見立てると、お家の屋根に太陽光パネルを設置してもらって電気代だけは支払うけど、保守・メンテは設置会社持ちということになります。家計への負担はほぼほぼゼロ。電気代はちょいと高くなるかもしれませんが、この仕組が個人宅にも適用されれば、自然エネルギーの普及は加速度的に増えていくと思います。
卒FIT組の囲い込み。この手があったかに驚き
お家で作った電気を若干のプレミアムをつけて買い取ってもらえる仕組みが2019年頃から終了する家庭がポツポツと手始めてきており、この人たちを総称して卒FITと呼んでいます。
これまでは売った電気と通常の電力会社からの買った電気で相殺できていたのに、これができなくなり、電気代の支払いがこれまでに比べ増えたという家庭も出てきたことでしょう。
この救済策として、イオンは家庭で作られた電気をウチで引き取りますよという施策を展開。しかもこの仕組が秀逸。買取価格に2円相当のWAONのポイントをつけて買い取るというもの。
これによりイオンは自然エネをお客様から得られ、自然エネルギー比率を上げられるとともに、お客の囲い込みにもできちゃうという一挙両得の仕組みをつくりあげたのです。
将来的には近隣エリアの電力の需給管理の司令塔として機能していくかもしれませんね。
既にコンビニでも環境配慮型の店舗に切り替わっていますし、売り場も環境配慮型が増えていくことでしょう。