どの会社でもそうですが・・・
経費削減の急先鋒と言ったら、どこの会社もコピー用紙の削減ではないでしょうか。
社員証を挿入して、ボタンをポチ。ひと目で誰が用紙を使っているかがバレてしまう。
なので、コピーするのにも慎重にならざるを得ない。
もっと進んだ会社では用紙の出力さえもペケ。画面で確認しないさいと冷たいお言葉。
けど、年寄りに取ってはこの画面チェックというのが、どうも目にはつらいもので・・・
魔法の機械、紙再生機
このコピー用紙を消費するのは悪だという世の風潮に一石を投じることとなったのが、エプソンの紙再生機。
使用済みの紙を放り込むと、アレよ不思議に真っ更な紙が出てくるというもの。
環境意識の高い欧州や水が不足がちな中東諸国からも引き合いがあるようで、国内に留まらず世界的なヒットの予感さえします。
ありえないけど、NOと言わない
この難題を実現させてたのには、エプソソンの社風が大きく影響しているのだと思います。
「紙を再生させる機械をつくれないか」という上からの指示に、「無理です」と即答せず、「やってみます」と応える心意気。
強いリーダーシップもそうですが、過去に数々の新製品を世に送り出したという自負があるのでしょう。
技術者もハードルが高ければ高いほど気合が入るように見えます。
まずは地元の自治体に・・・
真っ先に開発に入ると思いきや、まずはリサイクルにどんだけコストが支払っているのかという市場調査をすることに。
そこに需要があるのかないのか、まず先に検証するあたり、さすがだなと思いました。
それも調査会社を丸投げするでもなく自分たちの工場周辺に声をかけ、自治体やら金融機関では情報漏えいのためのリサイクルコストがバカ高いことを知ることに。
いち地方の事例だから一蹴されがちですが、地方でこの状況なのだから都市部ではもっとコスト高で悩む企業が多いはずと踏んだのでしょう。
紙職人を尋ねる
需要があることをわかった。次は紙づくりについてはの研究というわけで、紙すき職人を訪問し、紙についての研究を重ねました。
製紙工場に行けばと思うのですが、まぁ、後々商売敵になる会社に技術は簡単に教えてくれないと踏んだのでしょう。
再生の工程はこんな感じ
では、再生紙がどのような工程で作られるのか、
言葉にするほど簡単に見えますが、一つ一つの工程にエプソンがこれまで培ってきた技術がふんだんに盛り込まれているとか。
知の再利用もしている所がさすがだなと感じました。