喉から手が出るほど欲しい日本の技術
オフィスの前で待ち伏せして接触を図る。そこまで海外企業にとって日本の技術は宝の宝庫でした。
その状況は今も変わらず、日本企業、特にものづくり関連の社員は常に狙われていると言ってもいいでしょう。
昨今ではSNSが普及したこともあり、日本人技術者との接触も容易に。軽い気持ちで始めたのに警察にお世話になるような重大な事件にも発展するケースが昨今増えています。
LinkedIn経由で接触
ビジネス向けSNSで知られるLinkedIn。かくゆう自分も遠い昔に登録しましたが、全くログインしていない。
怪しい勧誘などの通知ばかりで怖くなって閲覧しなくなりました。
が、意識高い系の方にとっては自分のキャリアアップのためなのか、ゴリゴリに使い倒している人も。
2020年に不正競争防止法で大阪府警に書類送検された元積水化学社員は、LinkedInで同業の中国人技術者と蜜に連絡を取り合うことになり、技術情報の交換という形で中国にも何度も足を運んだとか。
彼がどっぷりハマったのも自社にない研究開発を中国企業で手掛けていたから。この技術を自社に取り入れることができれば、社内での存在感も高められるし、自社の成長にも繋がる。
まぁ、最初はこんな良心から始めたと思いますが、もう情報交換をした時点で、犯罪に手を染めているんですようね。
本人も知らず知らずのうちに犯罪に手を染めていたのでしょう。
告訴するにもハードル高し
そもそも日本人が告訴されたのは営業秘密なるものを社外に漏洩させたから。
が、この営業秘密情報とは適正に管理されていることが前提条件。
例えば限られた人間しかアクセスできないようにデータが管理されているとか、機密文書という形で他の書類とは異なる場所に保管され、しかも入室も厳しく管理されているというもの。
ところが多くの企業では、機密情報をここまで厳しく管理していないのが実情。
情報漏えい、不正競争防止法に抵触と声高に叫んでも、きっちりと管理している情報でなければ告訴できない可能性もあります。
個人情報の次は機密情報か
個人情報保護法が施行されから、かれこれ15年以上経っていることもあり、各企業とも管理が徹底されきています。
恐らく今後は、不正競争防止法に繋がる営業秘密に関しても厳しい管理が今後なされていくのでしょう。
貴重な情報が海外に流出するのは日本の競争力を削ぐことにもなり、国も真剣に取り組んでいくことでしょう。
不正競争防止法で訴えられたら、損害賠償請求やら罰金刑などがあり、会社のためとは言え、大きな代償を支払うことにも。
知らず知らずのうちに犯罪者でしたとならないよう注意したいと思います。