まさかの66%
スズキの株主総会で、鈴木会長と社長の再任賛成が70%に届かないという事態が発生しました。社長はとりあえずおいといて、問題は会長の賛成再任の低さ。前年のそれが93.2%ということを考えると、大幅なダウンと言えます。
総会で会長に対する好意的な声が聞かれていたものの、株主全体の評価では厳しい結果となりました。
えっ、日産より低いの?
ちなみに他の企業で見ると、昨今のゴーンさんの辞任で色々とバタバタしている感じの日産でさえ社長続投賛成率は78%、過去5年のROEが低いことで株主から厳しい声が聞かれる武田薬品でも約84%
それを考えると、何がそこまで、会長続投賛成を低下させたのか。
恐らく、これまでの不正続きに原因があるとも言われています。
不正続きが信用失墜か
2016年に起きた燃費の測定不正。
確か三菱自動車が最初に取り上げられ、次いでスバルだった気がしますが、その時にウチはしていないと言い張っていたものの、その後の調査で不正が発覚したあれです。
初動のまずさもあってか、企業イメージを大きく損なったことは否めません。
とは言え、会長のことを厳しく攻める声もあまり聞かれず、続投にはほぼほぼ影響なしでした。
ところが、2019年4月に今度は新車の完成検査のデータ書き換えが発覚すると、またかという声になったのでしょう。株主からの信用も失ったと思います。
中の人からも変化の声が
さらに中の人からも会長離れを感じさせる声も。
これまでは、会長が現場で声を掛けてくれるだけで元気がもらえると言われていたほど半端ないカリスマ性を誇っていたのに、今では勇退した方がいいという後ろ向きのコメントも。
株主離れは業績を上げることで信用回復は得られるものの、中の人からの信用回復は相当時間がかかるはず。
ガバナンスの低下は企業パワーを落とすだけに不安でなりません。
議決権行使助言会社は賛成
今回の件で反対に回ったのは機関投資家と人たちと言われています。
議決権行使助言会社と言われる方々は賛成に回ったとのこと。ちなみにこの人たちは、日産や武田薬品では反対に回ったとも言われています。
恐らくこの人達からも見捨てられたら本当に退任せざるを得ない状況になるでしょうね。
株主の発言権強まる?
この株主と企業と関係性について時代の変化を感じるのが、リクシルの件や伊藤忠の件が思い出されます。
この2件ともこれまで会社は社員のものという日本的な考えから、会社は株主のものという色合いが強くなったと。つまり株主の発言が強まったのでは?
となると、かの村上さんの目指していた本来のガバナンスという姿が日本にも定着するのかなと思った次第です。
上場したのなら、成長し続けることが企業の使命という村上さんの言葉が頭の中でこだましています・・・