ベトナム航空と資本提携
2016年1月、ベトナム航空と資本提携となったANA。会見ではアジアを面で攻めるという言葉通り、アジアの主要な航空会社との提携を強化しています。
提携先はタイ国際航空に始めリ、シンガポール航空、フィリピン航空、ガルーダ・インドネシア航空などなど。で、今回のベトナム航空との提携で、マレーシアを除くASEANの主要航空会社との連携がなり、会見通り面で攻めるがほぼ完成したという訳です。
背景にはJALの復活
この怒涛の提携は、そもそもはJALを意識したものと言われています。
経営破綻したJALは国の管理の元、再始動したわけですが、公平性を保つという理由から、JALは新規路線の開発や投資が制限されています。
で、その期限は2016年度末で、今から数えるとあと1年もしたら、JALもここぞとばかりに事業拡大に向けた取り組みが始動します。
なので、鬼の居ぬ間に洗濯ということで、ANAはそれまでに積極的な投資を推し進めているという訳です。
ところ代わってホノルルも
アジアの攻略と併せて、力を入れているのがホノルル路線。このホノルル路線というのは業界的にはリゾート路線と呼ばれているもので、ANAの場合、売上高に占めるリゾート路線はわずか4%。座席供給量シェアでは10%に留まっています。
一方のJALは、なんと37%とANAの約9倍。大きく引き離されています。
超大型機の投入
この差を挽回すべく、ANAは超大型機A380を2019年から3機導入。これが導入されることで、ANAの座席供給量は一気に24%に跳ね上がり、JALと差を大きく縮められるわけです。
拡大路線は吉と出るか
アジア主要航空会社との積極的な提携にはじまり、リゾート路線のテコ入れなど拡大路線をひた走るANA。どれもこの先に待つJALとガチンコ対決を見据えたものですが、一方で急激な拡大で、スチュワーデスのサービスにばらつきが出始めたなんて、穏やかではない声も囁かれています。
兵站が伸びすぎて、質が低下というどこかの業界でも似たような話がANAでも起きているかもしれませんね。
描く絵通りに行けば良いですが、航空業界は自然災害、テロなど予測不能な事態に対して影響を受けやすく、リスクも大きいとは思いますが、んなことをに逡巡することなく、攻めの姿勢を貫くANAに男気を感じた次第です。