泣きっ面に蜂とはまさにこの事
コロナ騒ぎで海外渡航が大幅に規制されている昨今。航空業界はまさに正念場といった感じ。
ANAが政府支援を求めたのも無理もない話。海外の航空会社もどこも同じ。体力勝負といった所でしょう。
機体を生産する飛行機屋さんも同様。米国の最大手ボーイングは墜落問題で信用を大きく損失した中で、今回のコロナ騒ぎでさらに痛手を負いました。
2020年半ばとされていた737MAXの運行もさらに延長せざるを得ない状況となりました。
裾野の広い航空産業
苦しい立場に追い込まれたボーイング。最大手がこの状況ですから他の飛行機やさんも同様に苦しんでいることが容易に想像がつきます。
となると雇用問題に発展するのは間違いない。自動車も裾野の広い産業ですが、航空産業は単純に部品ですが、自動車の100倍。さらに裾野が広い。
となると、与えるインパクトは自動車の比ではありません。
トランプさんが支援発表でボーイング安堵?
ある意味、社会インフラの側面を持つ航空産業ですが、他にも機体やレーダーなどの技術は防衛産業とも関連しており、ほぼほぼ国営企業と言ってもいいでしょう。
雇用問題に与えるインパクト、そして国家と密な産業ということもあり、当然ながら、政府が支援の手を差し伸べないと大変なことになる。
てなわけで、トランプ大統領は2020年3月にボーイングの救済方針を発表するに至りました。
この発表を受け、ボーイングは安堵したのか、すぐさま自分の所はもちろん、部品メーカーなどもひっくるめて600億ドルの支援を要請しました。
自分の所だけではなくサプライヤーまで支援の手を差し伸べてほしいというのは親としては当然の振る舞いかなと。
欧米で今なお紛争中、航空産業支援問題
ところが、これに待ったをかけたのが欧州勢。世界貿易機関(WTO)を挟んで、国による支援は違法だということで15年以上も争いが行われています。
欧州はエアバス、米国はボーイング。両者ともほぼ国営企業なんだということが伺えます。
ということもあって、今回のトランプさんの支援に対しても欧州勢は黙っていないだろうという向きがあります。
支援問題が政治問題に発展するとは、航空産業がいかに国を代表する産業であることがわかりました。
これといった飛行機屋さんのない日本は、それはそれで良かったのかなと思った次第です。
それにしてもいつになったら三菱製の飛行機は完成するのか、その日がいつ訪れるのか心待ちしている今日このごろです。