EV化で1万点も部品が減っちゃうの?
現在の内燃機関車の
部品点数は約3万点。一方のEVが2万点と言われ、約1万点の部品が必要なくなります。1万点の部品と言っても、一つの部品を作るのに数十社位が関連していることを考えると、その衝撃は計り知れいない。
国内部品メーカーの就業者が約70万人。これがEV化が進んだ2050年になると約8万人の雇用が失われると言われています。
EV化で割を喰うエンジン、変速機関連メーカー
EV化で影響を受ける部品と言えば、エンジン、変速機と言われています。エンジンはモーターに、変速機はインバーターにとって代わります。
市場関係者はこの点をよーく熟知しているようで、エンジン、変速機メーカーの株価は2-5割下げ、一方、EVの三種の神器と言われているモーター、インバーター、バッテリー関連の会社は株価を上げています。
このように既に部品メーカーの間では、勝ち組、負け組が顕在化しているわけですが、ところがどっこい。負け組と言われるエンジン、変速機メーカーもしっかりとEV化を見据えた取り組みが着々と進んでいます。
eアクスルに期待!
日産系列の変速機メーカー、ジャトコ。スムーズさが売りのCVTで世界最大手のあの会社です。
ジャトコがEV向けに開発しているのがeアクスルというしろもの。こちらモーターとインバーター、そしてモーターの回転数を調整してタイヤに伝える減速機を一体化した動力ユニット。
内燃機関車で言うところのエンジン、変速機をまとめた部品で、航続距離や走行性能を左右するという、EVにとっては肝と言ってもいい部品でしょう。
変速機メーカーだから厳しいのではという吹っ飛ばすほどの革命的な商品。ゲームチェンジャーにもなれるほどの部品だと思います。
EVの波を乗り切れること間違いなし
ジャトコの例に漏れず、EV化に向けてこれまでの技術的試算を上手に活用してEV化を進める部品業界は数多く、ただでは転ばない部品メーカーの底力をあらかじめ感じた次第です。
しかも、これまで長年取引していた完成車メーカーはのみならず、EVで新規参入するようなメーカーにも売り込みを進めていくという商魂のたくましさ。
自分たちもこれまで対峙してこなかった競合も増えたことですから、背に腹は変えられないというのはわかる気がします。
とにもかくにも日本の部位メーカーの今後の頑張りに期待したいところ。そうすれば2050年の雇用減少という暗いニュースも雇用増という景気の良い話に変わるかもしれません。