徐々に回復しているかも。日産

EV自動車業界

大打撃。ゴーンショック

2019年にゴーンさんが逮捕され、激震の走った日産。その後の低迷も予測していたはずですが、もうこれ以上、我慢できないと思ったのでしょう。

身内からの告発で長きに渡り、日産のボスとして君臨していたゴーンさんがいなくなり、強烈なリーダによる組織体制から、合議制による組織に大転換しました。

その間、現場では売るクルマがないし、スキャンダルで負のイメージがつき日産ブランドに地に落ちた感じさえしました。傍から見ていると。

ところが、あれから4年近く経過し、徐々にはありますが、一歩、一歩復活に向けて進んでいるようで、エリート集団の底力を感じました。

どのメーカーも苦労しているインセンティブのさじ加減

ゴーンさん時代の負の遺産とでもいいましょうか、過剰なまでの台数至上主義に走り、その後遺症は今なお日産を苦しめています。

特に販売奨励金という名の値引きの原資を大量に撒いたことで、日産ブランドは大きく毀損しました。

安いクルマというレッテル貼られ、さらに何かしらの不祥事を起こそうものなら、さらなる値引きをしないと売れない。

そんな負のスパイラルにどんどんはまり込んでいきました。

どのメーカーも、この販売奨励金のさじ加減に苦労していることが伺え、一歩間違えると将来的には大きな代償を払わされることにもなります。

日産もわかっちゃいるけど、トップダウンでの命令なので、従わざるを得なかったのでしょう。

台数ではなく、利益追求に転換

てなわけで、これまでの台数至上主義から考え方を変えて、利益追求に転換。販売奨励金もグーンと抑えて、勝負に出ました。

もともと商品力にある自信のある日産。セールス向けの大規模なイベントを開くなどして、値引きに頼らない売り方に注力し始めています。

そのかいもあってか、台数こそ過去最高を記録した2017年には及ばないものの、利益率は当時よりも2割ほど改善して6%台まで回復しました。

2020年にマイナスにまで落ち込んだとことを考えると大きな進歩を遂げていることがわかります。

隆盛を誇った中国市場は今や昔

続いては、北米と並んで重要市場でもある中国。他の日本車メーカーに先駆けて中国に進出。日産の中国市場での成功は、多くのマスコミで取り上げられていました。

ところが、今ではシェアはズルズルと落ち込み、今では4%台。原因としてはEV市場への乗り遅れ。世界的にも見ても、EV販売比率の高い中国。地場の新興メーカーも数多く参入し、加えて中国当局の積極的な奨励策により、ガソリン車を主体したメーカーはどこも苦戦を強いられています。

日産が中国市場で販売するEVは1台。他車に比べるとあまりにも見劣りします。ある販売店は日産の看板を下げて他メーカーの看板に付け替えるほど。

てなわけで、急ピッチでEV開発を進めていますが、中国市場における復活はもう少々時間がかかると思われます。

北米、中国市場が盛り上がれば、真の復活かも

日産の販売台数の6割を占める北米・中国市場。北米は値引き販売からへの脱却ができれば復活も期待できますし、こちらは既に、その効果が現れています。

中国市場はEVラインナップの充実まで時間がかかるため、もう2-3年位は時間を要することでしょう。

てなわけで、道のりはまだまだ険しいですが、ぜひとも日産には復活して欲しいです。

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