中国はとにかく安いは今や昔
これまで安い人件費を求めて海外に生産拠点を構えてきた日本の製造業
ところが新興国の経済成長に合わせて賃金は上昇。
2000年頃は約30倍近くあった中国との賃金差は今では5倍に縮まり、当初に比べると海外進出のメリット薄れてきています。
他にもあるのよ。海外でのトホホな話
歯科治療器具で世界シェアNO.1のナカニシではベトナムで工場を稼働させました。
ローエンド品ということもあり、現地スタッフへの教育も容易かと思いきや、思いのほか、コストと時間がかってしまう。
ローエンドとは言っても一定のノウハウが必要だということに気づき、遅々として進まない生産性の向上に業を煮やし、わずか3年で撤退という決断の早さを見せ国内生産に切り替えました。
人件費と人材管理を天秤にかけて
国内とさほど人件費の差がなく、ノウハウの伝達なスムーズであれば国内で工場を稼働させた方がまだまし。てなわけで今、国内は工場建設ラッシュで沸いています。
アベノミクスによる金融緩和、円安誘導などで手元資金が潤沢になったということも国内回帰の要因かと思います。
肝はIT。省力化
国内に工場を戻してもそれまでの生産設備ではなく、さらに進化した工場を建設しているのがミソ。
ITやロボットを駆使して、工場で働く人を大幅に減らして効率性とコストダウンの両立を図っています。
単なるIT化じゃないよ
ロボットやITは、現場で培われたノウハウが凝縮されたもので他では真似できない代物。
さらに稼働しながら改善を繰り返しいているので、そう簡単に海外に移転させるのは困難です。
と言うことで高効率で人件費が適正な生産地として海外から日本が選ばれることも考えられますね。
ものづくりが活性化すれば再び世界も日本製品に魅力を感じてもらえることでしょう。
資金を循環させる
国内向け設備投資が2013年を底に上向いています。
村上世彰氏の著書「生涯投資家」で上場企業はお金はためこまず投資に回して資金を循環させなさいと。お金の滞りは景気低迷させるとおしゃっていました。
国内向けに工場を新設することは資金を循環させることと同義でもあり、上場企業は偉いなと。株主からの要求をきっちりと果たしているのですから。