絶好調ではあるけれど
コロナにより外食産業が大打撃を被っている中、ハンバーガーチェーンは被害を最小限に留め、むしろテイクアウトの強みを活かして売上は対前年超え。 業界最大手のマグドナルドはもちろん、後に続くモスバーガーも同様。既存店売上高は2021年6月まで23ヶ月連続、前年同月比プラスで推移。 新商品とも言える食パンも発売し、我が世の春を謳歌してもいいのに、浮ついた所はなく、コロナ後を見据えて着々とその準備を進めています。
モスバーガー&カフェの出店加速
コロナ後を見据えた店舗づくりで、今力を入れているのがカフェの提供を主軸としたモスバーガー&カフェ。こちらコロナ前の2019年11月に1号店を出店。現在では35店舗までに拡大。 流行りのカフェにモスバーガーも参戦かと見てしまいがちですが、きっちりとハンバーガーも売っているという、ちょっと思い切りの悪さを感じてしまいますが、むしろ消費者の受けは良く、モスバーガー=ハンバーガーというイメージが定着しているからなのでしょう。
コロナ前からの課題克服に動く
そもそもモスバーガーの売上の5割は午前11時から午後2時のランチタイム。午後5時までのディータイムの売上は2割に留まり、ここの空白地帯を埋めるという役割をモスバーガー&カフェに担わせるとも言えます。
出店数をさらに増やすことから、モスバーガー&カフェは絶好調。21年度末には80店まで出店を計画しており、当初の目論見通りになっているのでしょう。
再び参入の勇気
新業態の出店は、過去にもありました。スイーツや丼メニューを用意し、バーガーメニューを少なくしたものの、これが今イチ消費者の受けが悪く、こちらは現在は4店舗に縮小。
この大きな失敗にもかかわらず、再びチャレンジする姿はお見事。しっかりと失敗の原因を分析し、ハンバーガー屋さんなんだから、そこはしっかりと売っていこうとでもなったのでしょう。
コロナ後の市場変化に対応
客席を減らして、肘掛けの椅子などゆったりと店内でくつろげる空間づくりのモスバーガー&カフェ。 これも、コロナ後の市場変化を見据えたものなのでしょう。お家にはない非現実的な空間を求めるニーズや在宅とは異なるワークスペースを持ちたいなどのニーズを取り込んでいるようにも見えます。
苦境にあえぐ外食産業ですが、コロナ収束後の盛り返しで市場はさらに、この需要に向けた動きを加速させていくことでしょう。
そんなツワモノ達がゴロゴロいる状況にあっても、競争力ある店づくりを目指しているのでしょう。
どんな店舗なのか、一度は足を運びたいと思った次第です。