原発問題で元気がないと思ったら
原発の事故で、とてつもない借金を背負い元気のない東電。
素人にはそう映りますが、ところがどっこい粛々と再建に向けて動き出しているのを知るにつけ、東電の底力の凄さを実感しました。
備忘録を兼ね今の東電に触れていきたいと思います。
まずは組織構造から
大きな変化と言えば社内分社化。東電HDの傘下に3つの会社がぶら下がるカタチとなりました。
日本郵政みたいな感じにも見えますが、火力発電事業の東電FP(フェル&パワー)、送配電事業の東電PG(パワーグリッド)、小売事業の東電EP(エナジーパートナー)と会社ごとに役割を明確にしています。
東電FPが凄い
東電FPの中核を担うのが中部電力と提携会社、JERA。燃料事業、海外事業の他に火力発電事業を担っています。
まずは燃料事業ですが、LNGの輸入量は日本はもちろん、世界でも最大規模。規模の論理で安く調達できる。で、安く調達したLNGを自社の火力発電で使い、さらには外販をも検討中だとか。
例えばガス自由化となり、新規プレーヤーがボコボコと参入してくる。彼らに外販すれば、大きな収益が期待できます。
新規プレーヤーはある意味、東電の手先となってガス販路を開拓するという風にも見えます。
東電EPも負けちゃいない
一般消費者または法人向けに電気を販売するのがこの会社。
2016年に電力自由化になったものの、全くもって東電には歯が立たない。
それほどまでにコスト競争力が群を抜いています。
他社から見れば赤字でしょと思う価格で勝負してくるというのですから、お手上げ状態と言ってもいい。
さらに今までは東京という限られたエリアでしたが、他のエリアにも進出して契約を取りに行くほどの暴れん坊ぶり。
それまでの自社エリア内で競争のなかったある意味、ぬるま湯体質だったのに、短期間でここまで変化するのは相当なものでしょう。
ここまでは電力のお話ですが、ガス事業にも力を入れています。家庭向けのニチガスと提携して販路を拡大。電気とガスのセットでということで、それまでの盟友、東京ガスの領域をも侵食しているとか。
東電EPから安くLNGを調達できるわけですから、これまた価格競争力はそうとなものでしょう。
最後に東電EP
送配電分離を見越した会社だと思いますが、既に送配電は整備されていますし、新規組が電線を引っ張るのは困難でしょう。なので、この事業においても、王者として君臨すること間違いないでしょう。
まとめ
とてつもない廃炉費用を背負いながらも、敵前逃亡することなく、困難に立ち向かう東電という感じがしました。
復活までの道のりは相当長いかと思いますが、頑張って欲しいものです。