笛吹けども踊らず。DXと言えど導入は茨の道

住宅・不動産

DXという言葉が大流行だけど・・・

昨今よく耳にするDX。これまでのアナログからデジタルに移行して生産性をあげようというもの。

ということで、勤怠管理、給与管理、見積もり作成などなど様々なデジタルソフトウェアが溢れています。これらツールをうまーく活用できれば、それに越したことはないですが、社員全員のITスキルはバラバラ。

そこで社内IT関連部署が、八面六臂の活躍が見せるわけですが、往々にして社員の方々は従来のやり方に固執してしまい、中々使ってくれない。

ツールはあれど、社員の協力を得られず、我が社のDX化は掛け声倒れに終わることもあるのです。

会社の統合で起きるDX問題

会社統合におけるDXはさらに難度の高いものになります。それぞれの会社でこれまで慣れ親しんでいたツールを統合先のツールに切り替えられたり、はたまた新しいツールに切り替わったり。

となると、中々新しい仕組みに移行するのは困難を極めます。

住設設備最大手のLIXILがまさにそれ。5社のシステムを統合して、業務の無駄を排除し、一気に効率化を進めようとしました。

社内からは特に反対意見もなく、一見スムーズに事は進むかかに見えましたが、実際には諦めにも似た様子で、上が決めた事だからどうぞご自由にといった感じ。

この状況で導入した場合、万が一トラブルが起きると、社員は新システムを使うことに控えてしまい、新システムは利用されず失敗に終わってしまう恐れがある。

てなわけで、段階の踏んで、DXを導入する計画に切り替えました。

まずは見積もり作成システム

最初に手掛けたのは見積システム。しかも施工後の3次元画像を作成できるという画期的なシステム。

導入前は見積出しに5日間を要していました。時間が経ってしまうと興奮を冷めてしまったのか、金額も影響していると思いますが、破談になることもありました。

てな訳で、これなら現場の社員も使ってくれるだろうと。導入後もしっかりとヒアリングして利用実態を調べるのもDXの肝。現場スタッフの声に耳を傾けると、これが残念なことに、ほぼほぼ使っていないという有様。

このような残念な結果の場合、講習会を開いたりなどして利用を促す策が一般的かと思いますが、DX担当者の取った行動は放置。自分の管轄するショールームで活用することで社内の理解を深めようとしたのです。

客からの突き上げ&成功体験

ショールームにはLIXILのお客となる建売販売会社の人や注文住宅の建主などが来店してきます。商材を見ていただくと共に、お見積りも即座に提出。

これが来場者から好評で、LIXILの評判はうなぎのぼり。当然ショールームで受けた高い接客を、現場の営業マンもできるだろうと。豊富なサンプル提出や希望にマッチした提案、んで、鬼速の見積出しなど。

加えて、ショールームでの商談成立といった成功体験を社内SNSで拡散することで、見積システムを敬遠していた営業マンなら、使ってみようかなと思わせることに成功したのです。

まとめ

LIXILのDXの成功は以下につきるかなと思った次第です。

  • 段階的な導入。いきなり重厚長大なシステムをどんと導入しない
  • 実際に使われているかを導入後も細かくチェック
  • 上から使いなさいではだめ。使ってみようかなと思わせることが大事
  • 成功体験の共有
  • 客からの突き上げ。見積が早いので助かる、イメージに合った提案が良いなど
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