修繕費を融資に切り替えが急増
十数年に一度に発生するマンションの大規模修繕。外壁の塗装や給排水の設備、エレベーターなどが主な修繕内容かと思います。本来なら入居者から修繕積立金という形で徴収しているのですが、それだけでは賄えず銀行に借り入れるマンションが増加しています。
その傾向が顕著なのが最近で、2015年は400件超。前年度比44%増というのだから、のっぴきならない。
一般的な修繕のタイミングとは
1回目の大規模修繕では、新築時に購入者が積み立てるお金で賄うのが一般的。なので、銀行からお金を借りるってことはなかったのですが、最近では事情が異なり、銀行からの融資に頼らないと修繕費が賄えないケースが続出しています。
タイミングが悪いのでは?
2015年に急増した融資件数ですが、該当するのが2000年代に販売されたマンションが中心です。で、この度の十数年ぶりに大規模修繕を行うと思ったら、見積もり金額がとんでもないことになってさぁ大変となりました。
考えられる要因は、復興需要&オリンピック建設需要などによる建設費の高騰。従来の修繕費に比べると20-30%高騰しているようです。タイミング悪いとしか言えません・・・
当時の販売手法にも問題があったのでは?
また、当時のマンション販売法にも問題があったのでは?という声も上がっています。とにかく販売価格をやっすくみせようと修繕積み立て費を低めに設定し、家賃よりも安く見えるように金額を設定。
となれば、1回目の大規模修繕でお金が足りないという状況を生むのは当然の結果と言えます。
工事費用を精査する動きも
修繕費の高騰と積立金不足という問題を取り上げましたが、他にも実際の相場よりも高い費用を取られているケースも後を絶たないとか。発注元となる管理会社の計画が甘いのか、それとも下請けとのズブズブな関係が、このような事態を招いているのか、実態は定かではありませんが・・・。
で、今注目されているのが、しがらみのない専門家に相談して修繕見積もりを出してもらい、その金額をベースに入札を行うというもの。
これならば競争原理も働き、しかも専門家による適正価格提示なので、安かろう悪かろうの出来にも陥らずにすみます。
老後安泰のためにも・・・
大規模な修繕をするのも、ローン後の資産価値のため。クルマで言うなら下取り価格を少しでも高くしようと、こまめにメンテナンスするようなもの。
せっかく35年も苦しいローン生活を送ってきたのに、老後の足しにもならないような金額では悔やまれます。