クルマが売れまくっているのに生産調整とは・・・。
絶好調のSUBARUが減産を余儀なくされた新聞に取り上げられていましたが、この話。けっしてSUBARUだけではなく、どのメーカーも一緒。
というのも原因は半導体不足。昨今のクルマはほぼ電子制御で半導体がゴリゴリ使われています。ある意味、司令塔と言ってもいいようなパーツ。
東日本大震災の時にも生産工場が被災して生産が滞りましたが、今回は世界規模。VWも半導体不足で減産を余儀なくされたとか。
世界規模のトヨタは言うまでもありませんが・・・。
誰も予想できなかった鬼回復
そもそも、この半導体不足の原因は、自動車販売の急回復による所が大きい。
コロナ禍直後では、中国は8割減産、米国も4-5割減産と先を見通せないこともあり、減産の方向で生産調整を行いました。
が、コロナ禍が落ち着きを見せた9-11月頃になると、景気刺激柵などの政府からの補助などもあり、クルマ販売は急回復を見せます。
国内でも対前年比を上回る台数を記録。24時間フル稼働でも追いつかないとう嬉しい悲鳴状態となりました。本当うらやましい限りです・・・。
ところが、この勢いにも陰りが見えてきます。それが前述の半導体不足です。
需要がなくなれば、次なる客を探すまで
半導体メーカーもクルマ向けが減産になったことで、他業界への生産にシフト。今更、当初の計画に戻して欲しいと言われても無理な話。
クルマ業界だけではなく、様々な業界で需要のある半導体業界。クルマ屋さんの生産調整の話を受けパソコン向けの半導体の増産に切り替えたりしました。
政府が中心となって推進するエネルギー政策は半導体業界にとっても新たな飯の種として注目していることでしょう。
欧州各国では気候変動に関する分野への支援を加速。洋上の風力発電に100兆円を投じるとのこと。
国のエネルギー政策ということもあり、今回の自動車のように大きな需要変動の影響を受けにくい、さらに昨今のSDGS投資の高まりなどもあり、外部からの資金調達もしやすいことでしょう。
通信、エネルギー、IT、自動車で激しい争奪戦
通信業界では5Gサービスが幕開け。自動車業界ではEV開発の本格始動などなど、より一層、半導体の重要性が増すばかり。
しばらくは、半導体業界による買い手市場が続くと予想され、自動車業界もしばらくは高値づかみを強いられることでしょう。
このタイミングで世界を席巻した過去を持つ日本勢にも頑張ってほしいと思った次第です。