コロプラと任天堂をめぐる攻防
コロプラの人気ゲーム、白猫プロジェクトが任天堂の特許を侵害しているとのことで訴えられた件。既に3年近くが経過し、そろそろ裁判も決着がつくとのこと。
で、この賠償請求が何と100億円近くというのですから、ゲームの特許というのはとんでもない額になるんだなと驚きました。
金額アップは一般的
そもそもこの請求金額は当初は約50億円だったとか。それが時間の経過と共に膨れ上がっていきました。
これも訴訟中に関連費用が発生するということで、その費用を補填する意味合いが強くこの手の裁判では一般的とのこと。ので、任天堂側の言い分としては訴訟で発生した必要経費も払ってくださいねというわけです。
と考えると、訴えられた側としては、明らかに裁判に負けると実感したら、早々に旗を降ろして降参した方が良いとも取れます。
コロプラ的には大丈夫なの。100億円近い賠償金
コロプラとしては、ある程度覚悟していたことではあるものの、額が額だけに相当な痛手を被ることでしょう。
とは言え、2021年3月時点で現預金600億円と手元資金には余裕はあるので、支払得ませんということにはならない。
ならば、早々に決着させた方が良いと思うのですが、引当金の計上もされていないことから、まだまだ諦めていないのかもしれません。
特許侵害が否かのチェックは正直厳しい
そもそも今回の騒動で、コロプラ側が特許を侵害しているか否かを開発中にチェックできていれば、裁判沙汰になりならなかった。
が、ゲーム業界で鬼のような忙しさ。規模も小さいゲーム会社ともなれば中に法務部なんぞない。そんなことは後回わしで、ローンンチに向けてとにかく仕事を優先するもの。痛い所を突かれた格好となったわけです。
このコロプラの一件で、明日は我が身と感じるゲーム会社も増えることでしょうね。特許侵害で数十億円もかかるのですから、会社が倒産してもおかしくもありません。
救済策は大手ゲーム会社向けにソフトを開発
救済策として挙げられているのが、任天堂やソニーなどの大手ゲームメーカー向けのゲーム開発を手掛けるというもの。
任天堂の場合、自社の特許侵害に抵触していたとしても、大目にみてくれる節があります。そのゲームが売れればハードを発売するメーカーにとってもメリットはありますから。
てなわけで、一番危険なのはスマホ向けに絞ってゲームを開発しているゲーム会社。ゲーム業界からしてみれば、利用者の裾野を広げる一翼を担ってきましたが、これからは逆に開発が難しくなってくる可能性も大ありです。
ゲーム文化の普及を取るか、それとも自社の経済圏を取るか、ハード会社も苦しい選択を迫られているようにも感じました。