配送費値上げから1年
ヤマトが配送費値上げという勇気ある決断をしてから1年が経とうとしています。
業界内ではさぞ称賛の声が上がっていることでしょう。
ウチの会社に出入りの中堅物流会社も、この件をきっかけにしれっと配送費を値上げしてきましたし、どの会社もヤマトの値上げに便乗して値上げしていると思います。
人手不足による配送スタッフの労働環境改善というのが大きな理由だったこともあり、反対の声よりも致し方ないといった素直に受け入れる声が多かったように思えます。
企業側は大ダメージ
世間的にはやむなしという声が多かったものの、この値上げで大ダメージを食らったのが企業側。ECサービス系は配送費の値上がりで、あのAmazonでさえ値上げを余儀なくされました。
またメーカーでも自社で通販をしている所も多く、ネット企業にとどまらない広がりを見せています。
p今回紹介するネスレも配送費の値上げで減収減益に追い込まれるほどのダメージを被りました。
配送コストが以前2-3倍に跳ね上がるともなれば無理もありません。
お客を物流システム組み込む新発想
それまで配送をお願いしていたヤマトから佐川急便にパートナーを変更。配送会社をただ変えただけでなく新たな物流システムを構築した所がネスレの凄い所。
しかも、その物流のプロセスの中に自社のお客様を組み込んでいるのですから、さらに驚きました。
ラストワンマイルの問題解消
ネスレと佐川急便が共同で提供する配送システムMACHI ECO(マチエコ)便は、お客様の自宅まで商品を届けず、商品保管所に届けるというもの。
この商品保管所はネスレが地域ごとに設置した商品保管所やネスレのお客様の自宅
一般客のお家を荷置き場扱いするというのがあまりにも斬新。しっかりと手数料を支払うことで、保管所に選ばれた客にもメリットがあります。
このMACHI ECO(マチエコ)便を使うと、代金は5%引きとなり、利用者にもしっかりメリットをつけています。
今後広がる予感商品保管所
このネスレの物流の取り組みをきっかけに、一般企業でも、このような仕組みが普及する可能性が高まるかなと。
既にネスレが構築したこのシステムに、ファンケルやP&Gの利用に手を上げていますし。
物流会社も再配達もしなくて住みますし、保管所に選ばれたお家は家にいるだけでお金がもらえるのですから、双方にとってこんな良いサービスはないと思います。
今後この手のサービスが広がることを切に願うばかりです。