時は春秋戦国時代
時代背景は群雄割拠の春秋戦国時代。中国が分裂していた時代ですね。各国が裏で手を結びつ隣国を攻め落とす。出征している間に本国を他国に攻められちゃう。
とにかく外交に長けた国が生き残れるといったもので外交官にとっては現代に比べ相当ストレスがあったことでしょう。
本作品では、強国の部類に入る趙が、小国の梁を攻め取るというもの。
梁では、降伏やむなしという空気が流れる中で、一人の思想家が開戦を主張し、君主、民衆ともにそっちの方向に気持ちが傾いていきます。
降伏しても、その後の苦難を考えると戦うことでその苦難を回避できると。
思想家が籠城戦のリーダーに
その思想家とは諸子百家に出てくる墨家の人。
基本的な考えは非戦派。人間同士が殺し合うのは良くないよと。平和的に解決していきましょうとうもの。
墨家を招聘した梁王は、彼に籠城の指揮権を与えます。墨子が取った行動はと言えば、城の中に城を立てる。それも7日間という短さ。これを成し遂げることで、士気盛んな梁というのを見せつけ相手にプレッシャーを与えるというもの。
これを成し遂げたことで、実際に士気も上がり、趙の軍勢に対しても相当なプレッシャーを与えることができました。
何と言っても守る方が強いよ
古代の城は城壁があって、とにかく、その高い壁をよじ登るというのが正攻法。はしごを使って攻め寄せるわけですが、これがことごとく失敗。
城を守る墨子は、まず硫黄を巻いて相手の目をくらますし、足が止まった所で弓矢の集中砲火を浴びせ、それでも城に近づくものがいれば、火炎攻撃で一網打尽。
全く攻め入ることができない梁。兵士の死者も梁に比べて圧倒的に多く10万の兵士を投入したものの、全く歯が立たず、撤退を余儀なくされます。
君主の妬みはどうしても避けられない
10万人の軍勢に勝ったことで、墨子の人気はうなぎのぼり。
兵士、民衆ともに墨子を慕う人が増えました。
これを快く思っていないのが、梁王。
彼の声望を妬むようになり、墨子に謀反の意思ありというあらぬ嫌疑をかけて彼の処刑を画策します。
人の嫉妬まで予想できなかった墨子。部下や民衆も助けもあって難を逃れ城を脱出することはできたのですが・・・
平和的な解決は望めないもの?
墨子が城を去ったことを聞きつけ、これは好機とばかりに再び城攻めを始めた趙。
墨子がいないだけに簡単に城の中まで攻め込まれ、あわや陥落という所まで追い込まれますが、再び墨子が現れて超軍を一掃することに成功します。
とは言うものの、梁王のお気持ちは変わらずじまいで再び墨子は城を後にするのでした。