あらすじ
地位も名誉も手に入れた大女優の心の葛藤を描いた作品。自分の一気にスターにしてくれた作品のリメイク版の出演をめぐり、色んな人を巻き込みながらもがき苦しみ、また一歩女優として成長するというお話です。
女優魂ってすごい
作品で感じたのが、女優業もいかに大変な仕事かという点。
マネージャーを相手にセリフのやりとりの練習をするのですが、途中で自我が顔を出してしまい、この役の彼女から、こんな言葉は出てこないやら、演出家に対して、彼女の心を表面的にしか見ていないなど、自分の中で設定が仕上がっているんです。
なので、自分の思い描く彼女と演出家の描く彼女に開きがあると、いきなりヒステリックになっちゃって、この役降りるわまで追い詰められちゃいます。
仕事でも上司の考える方向性と自分の方向性が異なる時、自分の意見が入れられなければ、この仕事降りてやると心では思いますが、行動に出るまではさすがに・・・
プロとしての信念がひしひしと伝わってきましたね。
役作りに山ごもり
女優魂にも通じるところがありますが、舞台が始まる前にマネージャーと人里離れたお家に数週間山ごもり。お家の周りは自然だらけ。
役作りに没頭するにはこれ以上ないシチュエーション。
マネージャーと2人で登山したり、湖で泳いだりと。役作りとは関係ないんじゃない?と素人には映りますが大女優にとっては、それが一番の近道なのでしょう。そう感じられました。
嫉妬なのか新人女優
今回の作品で主役をはるのが今、最も勢いのある若き新人。ゴシップネタも絶えず、マスコミに対する失礼な態度など、大女優とは真逆。
が、時代は変わり、そんな媚びない姿勢に同世代から共感を呼び押しも押されぬ女優に。
しかも彼女の役どころは大女優が若き頃に演じた役。そりゃ、自分も重ねて見てしまうのも無理もない話です。
下品に演じられたらどうしようって。私が演じた所の設定とは全然違うじゃないって。
マネージャーと関係に違和感
そんな情緒不安定までとは行きませんが扱いづらい彼女を陰で支えたのがマネジャーの女性。
が、この大女優とマネージャーの関係が主従関係ではなく対等なんですよね。
大女優を1人にして、これから彼氏と会いに行くから後は1人でよろしくねとか、口論した最後に大女優に向かって「いやな女」って悪態つくし。
役作りに対しても、ビシバシ自分の思いをぶつけるし。
まさに良きパートーナーという立場で、彼女の女優業を支えているといった感じでした。
こうゆう形のマネージャーもあるんだなと思った次第です。
終わりに・・・
最終的にマネージャーは彼女の元を自ら去ってしまいますが、話はその後も淡々と進みます。なんか着地が見えずでモヤモヤだけが残る作品でした。