AIは危険というお決まりの話?
AIが暴走して人類の生活を脅かすといった類の作品かと思いきや、AIロボット、チャッピーは、今までとはちょっと趣の異なる作品。
犯罪者が跋扈し、警察では手に負えずロボット警察官が大活躍する未来都市。集中制御により、彼らはただただ人間の命令をこなすだけで、彼らには意思はありません。
そんなロボットに意思を与えたのが主人公のエンジニア。そして開発されたのがAIを備えたチャッピーでした。
学習を積み重ねていくことで、人格形成がなされ、行く行くは自分の判断、意思で行動することができるのです。
ので、育て方を間違うと、正義の味方から悪の用心棒になってしまうという危険をはらんでいるのです。
犯罪者に悪用されちゃうロボット
で、ものの見事に、犯罪者の片棒を担ぐことになってしまったチャッピー。
主人公から犯罪者に協力することは悪いこと。絶対に駄目と教育されていたのに、これもAIの弊害とでも言いましょうか。
意思を持つことで、自分の行動を理由をつてけては正当化していく。
いつからから、主人公が掲げていた理想のロボットから、どんどんかけ離れていってしまいます。
驚異的なパワーと、チタンを纏った堅牢なボディは犯罪者にとっては格好の助っ人。
高級車を強奪させたり、現金輸送車を襲撃させたり、やりたい放題。
これまで市民の安全を守る警察ロボットが、現金輸送車を襲い、お金の入った袋を運び出している映像を目の当たりにし、主人公は衝撃を受けます。
今なら引き返すことができるとチャッピーの説得に向かいますが、信用を失ったのか、無視を決め込むチャッピー。その態度はまるで人間そのもので、どこか滑稽に移りました。
外見は器であって魂は永遠?
チャッピーの育ての親とも言えるギャンググループの女性は、母性本能がくすぐられたのか、絵本を読み聞かせたり、生命、意思についてレクチャーします。
人間の外見は単なる器であって、中身は永遠に生き続けると。
これにピンと来たチャッピー。AIは人間の発想を遥かに越え、ならば人間の意思が動物に生まれ変わる、あるいはロボットして第二の人生を送ることもできると考えます。
ちなみに自分もボロボロの外見から、新品のボディに生まれ変わることができると。
見事なまでの伏線回収に驚き
工場から回収した意思移植キットを早速開き、転送プログラムの開発に成功。手始めに、ママにそのキットを装着させて、これまでの人生で耳聞したもの、感情、意思などを吸い上げ、USBに保存します。
これが後に、エンディングに重要な役割を担うとは。エンディングはとにかく驚きの連続。必見です。