記憶に新しいあのチリの崩落事故
あれから、もう7年近くも経つのかと時の流れの早さに驚いちゃいますが、2010年8月にチリで起きた鉱山の崩落事故。
いかにこの事故で33人全員が生きて帰ってこれたのが奇跡だということが、この映画を通じて実感できます。
地下700mに閉じ込められた人とそれを助ける人、そして家族の3つの側面で描かれ、泣ける~映画に仕上がってします。
生存率は1%
日本では馴染みがないかもしれませんが、鉱山労働者は海外では当たり前。確かチリの鉱山は金だったと思いますが、本当にとんでもない地底まで掘り進めて採掘しているんです。
事故に会った33名の中には、鉱山労働者として定年を迎える人もおり、定着していることが伺えます。
鉱山労働者は採掘する場所まで、トラックの荷台に詰め込まれ現場へと向います。徒歩では大変なほど、相当奥深くなものですから、クルマが移動手段というのにもビックリましたが・・・
中には休憩所や作業場などもあり、ちょっとしたオフィスが鉱山の中にはあります。しかも照明もついていますから。
崩落さえなければ、シェルターとしても使えるくらい。
で、話を崩落事故に戻すと過去にも事故はあったもものの、ここ最近ではめっきり減ってきてました。
が、山は生き物。地表がズレていることに警告をならし、安全措置をすべきだと管理部門の人は、上層部に訴えていたのですが、聞き入れてもらえず、まもなくしてあの大事件が起きてしまいました。
過去事例では生存者はゼロ。仮に生き残っていても、閉じ込められてからの日数を考えると、生存率はよく見積もっても1%と絶望的だったのです。
閉じ込められた側は至って冷静
地上ではてんやわんやの大騒ぎ。チリ政府はもちろん全世界にこの事故が知れ渡る中、閉じ込められた33名はいたって冷静。
限られた食料を生存できる日数で割り、1日1回。その分量もコップ半分以下。
けど、誰ひとりとして不平不満を言わず、仲間のためを思って協力していく姿勢が結果的に良かったかも。
食料が完全に途絶え、この先食料もなく、どうしたものかと途方にくれている中、何と奇跡的に地上からのドリルが閉じ込められた彼らの避難場所に到達。
これで地底奥深くで死ぬ恐れも多少和らいでいっったのです。
ピークが中盤に来ても最後まで目が離せない
この作品、ドリルが彼らの避難場所に到達したところが、最大のハイライトなわけです。
観ている側も、ここで緊張の人がプッツン。あとはエンディングまで惰性で観るしかないとなるわけですが、この後も、ひとやま、ふたやまと難題がふりかかり、ハラハラドキドキの連続。結末を知っているのに、ここまで飽きさせない本作品の素晴らしさを実感しました。