ある意味、どちらも悲劇の女王様。「ふたりの女王 メアリーとエリザベス」

時は中世から近世に変革期の16世紀

舞台は16世紀のイギリス。13世紀頃の一国の王様よりも絶大なる権力を誇っていた十字軍遠征が盛んだったローマ法王の時代から約300年後の世界。

ふたりの女王 メアリーとエリザベス

ルネサンスが花開き、宗教改革真っ只中。舞台のイギリスでもカトリック教と新教の対立が描かれています。

高校の時に学んだ世界史の内容を復習しないとちょっとついていけない内容でした。

ちなみに中央アジアでは、絶対王者のオスマントルコ帝国がヴェネチア共和国を主力としたヨーロッパ連合に敗れるレパント海戦が起きています。

日本では戦国時代真っ只中。織田信長が桶狭間の戦いで今川義元を破り、日本統一に向けた時代にあたります。

日本で言えば南北朝時代ってこと?

話を作品に戻すと、まずメアリーは政治的に利用されたのか幼い時にフランスに連れていかれ、国王が亡くなった事を機に再びイギリスに戻ります。

王族の正統な血筋を受け継ぐメアリーが本来ならば国王につくはずでしたが、帰国したらおねぇさまに当たるエリザベスが既に国王の座についていました。

ふたりの女王 メアリーとエリザベス
メアリー

双方にとっては驚きだったことでしょう。エリザベスにとってはまさか戻ってくとは思わず、メアリーにしてみれば素直に王座を受け渡してくれると思っていたに違いありません。

ふたりの女王 メアリーとエリザベス
エリザベス

これって朝廷が同時期に2つあった南北朝時代に似たものを感じましたが、イギリスの場合は表立った戦いはなく、交渉や裏工作で女王の座から引きずり下ろそうと画策します。

子供を作って女王の座に。メアリー

メアリーが取った策は、子供を授かることで、その子供に王位継承を認めさせて成人するまで自身が女王として君臨するというもの。

エリザベスは未だ独身で、かつ年齢的にも妊娠は難しい。痛い所をついてきたわけです。

で、この夫に対するメアリーの対応が凄まじい。生粋の女王様気質で、夫はあくまでも部下。ちょっと出過ぎた真似をすれば、主君にその態度は失礼ではと叱りつける有様。

メアリーは無事懐妊いたしますが、その後の夫は用なしとばかりに、暗殺されてしまう始末。夫が生前に「俺は種馬か」と激怒したのも、自分の未来を予見していたからなのでしょう。

ふたりの女王 メアリーとエリザベス

部下にはめられ、四面楚歌のメアリー

元旦那の暗殺を知り愕然とするメアリー。そうこうしている内に部下から再婚の打診があり、従わなければ女王を剥奪するという脅しを受けます。

全てが順調に進んでいたと思いきや、後は部下たちにお任せくださいと最後の最後に部下からはしごを外されてしまいます。

蜂起してやると女王様気質のメアリーは部下達に食って掛かるも、国内の世論は、女王様を売女とののしるなどサポートしてくれる様子もなし。むしろ命を狙われかねないという危険な状況。

こうして四面楚歌のメアリーは姉、エリザベスを頼ることを決意したのです。

この場に及んでも、私は女王様は変わらず

女王様めぐり激しく対立していた二人が奇跡のご対面を果たします。とは言ってもメアリーが助けを求める格好でエリザベスに面会を求めたのですが・・・。

で、この会談で命乞いをするのかと思いきや、一緒に挙兵してくれというびっくり仰天のお願い。流血を好まないエリザベスはこの提案をあっさりと却下します。

この対応に、臣下が主君の命令を拒絶するとは何事かと表情を一変させるメアリー。弱い立場にありながらも、あくまでも私は女王様よを貫く姿勢は呆れるを通り越して関心してしまいました。

ふたりの女王 メアリーとエリザベス

この妹の対応を大人の対応でいなすエリザベス。挙兵はしないけど命は守りますよと約束します。

こうしてスコットランドを追われたメアリーはその後の余生をエリザベスの庇護の元、18年間過ごし、最終的にはエリザベスの暗殺未遂容疑で死刑に処されます。

が、その死刑の場でも、悲壮感など全く凛とした姿に、真の女王様を見ました。エリザベスも妹に死刑を求刑したこと深く悲しみ最後の慟哭する姿は胸にきました。

お互い悲劇の女王様だったのではと思った次第です・・・。