寡黙で偏屈な男に思わぬ過去
お風呂おの水漏、建屋周辺の雪かき、トイレの排水工事などなど。何かのトラブルに見舞われたら便利屋を呼べばOK。
そんな日本に馴染みのない職につく主人公リー。
修理の腕は一級品で会社からの評価は高いものの、愛想がなく思ったことをズケズケ言うものだから、客とのトラブルが絶えない。
職人気質でちょっとクセの強い人なんだと思いました。最初は。
故郷に戻れない。戻りたくない
そんな彼に降って湧いた不幸。兄の死。
尊敬する兄を失いひどく落ちこむ彼。
1週間の休みを取り、久しぶりに故郷のマンチェスターに帰郷することになりました。
このしばらくというのがこの作品の重要なポイント。
元々、サリーは元々は既婚者で訳あって今は独り身。家族がいた頃は、いたって普通の陽気な彼でしたが、ある事件をきっかけにして離婚することに。
そのつらさもあってか、故郷マンチェスターを出ることになったのです。
ある日突然、甥っ子の後見人って
そしてさらなる難題が彼に降りかかります。独り身で余生を送ることを決めていたのに、兄の遺言には、甥っ子の後見人に自分を指名していたこと。
しっかりものの兄は、息子の養育費もしっかり蓄えており、小さい頃から叔父になついていたことを考えると彼しかいないと、そう思ったのでしょう。
そして、ここからサリーと甥っ子の間で一悶着が起きます。それが本当の親と息子の以上の愛情が感じられて胸が熱くなります。
故郷を後にしたいサリーの訳は
サリーの決断は、マンチェスターを出て、ボストンで二人暮らし。
学校も転校し、家も売り払い兄貴の商売道具の船も売ってしまい、当座の生活資金に当てるというもの。
まだ成人していない甥っ子は、この提案に猛反発。学校も転校したくないし、父の船だって修理すればまだまだ乗れるし、売ることなんて絶対に許せない。
事あるごとに衝突2人。関係は修復しないかに見えましたが、元妻との再会で彼に心の変化が起きます。
あんなに愛していたのに・・・
彼が故郷を離れたのも、愛する子供達を自分の不始末で失ったことが原因。そしてこの事件をきっかけに妻との離婚することになりました。
そんな辛い場所に身を置くのは絶えられない。そして彼は別の街に映り住むことになったのです。
ところが、数年振りに元妻と再開し、お互いの気持が通じ合い和解。これをきっかけに甥っ子に対する態度をあらためることに。
家族を越えた親戚愛?
その選択とは、甥っ子の今後の人生を思っての最高の選択だったのです。
家族というカタチにずっと背を向け続けていましたが、元妻との関係修復により子供を想うことの怖さを払拭してくれたのでしょう。
とは言え、息子はマンチェスターに留めるものの、自分自身は今住んでいる街で暮らすことを選択。やっぱり乗り越えられないというサリーの言葉に、ちょっぴり悲しい気分になりました。