長きにわたり秘密にされていた事実
歴史の裏にこんな事実があったとは?と言うよくあるテーマを扱った作品ですが、その規模はこれまで見てきた映画とは比べものにならないほど。
しかも、この事実が公の知ることになったというのは最近というのですから、イギリス人の口の堅さにはただただ驚くばかりでした。
シチリア上陸で戦局が大きく変わる
時は第2次世界大戦。ナチの勢いが盛んな頃で連合軍も劣勢状態。そんな窮地を脱したのが、連合軍の欧州本土への上陸。
米国のノルマンディ上陸があまりにも有名ですが、一方でイタリアのシチリア上陸も戦況を大きく好転させた作戦と言ってもいいでしょう。
その後の連合軍の快進撃は、この上陸作戦の成功が大きく影響していたことは言うまでもありません。
フェイクニュースでヒトラーを欺くという稚拙な作戦
とは言え、シチリアの海岸線には大勢のナチの軍隊が待ち構えており、到底上陸なんぞできない状態。
そこで考えられたのが、偽の情報を流すことで兵力を減らすというもの。兵力を分散させるために他の地域を攻め立てる陽動作戦というのはよく聞きますが、偽情報だけで果たして軍隊を動かすことができるのか。
素人的に考えても、それはあまりにもヒトラーを馬鹿にしているのではと思いました。
よくぞ通したチャーチルの読みの鋭さ
作戦を指揮するのはMI5。会議の席上では様々な作戦が上げられ、偽情報を流す作戦も会議の場で発表されましたが、賛成者はごくわずか。プロの目から見ても成功するかは懐疑的でした。
ところが、作戦実行の最終責任請け負うチャーチルからOKというまさかの回答。
戦況を見る目においては、毎度神がかっているチャーチル。この時もその天賦の才がいかんなく発揮されたのです。
これって信長もしていたような
こうして、偽情報を流すオペレーション・ミンスミートは始動しました。
その作戦内容とは漂流した水死体の兵士に偽の情報、イギリス軍がギリシャに上陸するという機密文書をもたせ、ナチに拾わせるというもの。
作戦実行のために死体を用意したり、その彼のプロファイルづくりなど苦難の連続でしたが、期日までに何とか作戦実行にこぎつけることができました。
この作戦が見事成功し、イギリス軍はシチリアの上陸を成功させるわけですが、偽情報をナチのスパイ達に掴ませ、そして信じ込ませるまでが、これまた苦難の連続。
最後まで目が離せない作品でした。