始まりは見に覚えのない殺人罪
朝起きて訪問客かと思いドアを開けたら警官がゾロゾロと入ってきて逮捕。
罪状は殺人罪ということだけど主人公パピオンには全く持って見に覚えのない話。
殺人が起きた時間帯には彼女と一緒に過ごしていたこともありアリバイ十分。なのに警察は全く聞く耳を持たず再捜査をしてくれる様子もなし。
明らかにパピを陥れようとする仲間と警官が結託したもの。次第に無罪を主張する気持ちも薄れていき、状況を受け入れることにしました。
で、この時代のフランスは罪人は植民地ギニアに送られ、その数は8万人に及び一人も祖国に戻るということがなかったとか。
こうしてパピの長きに渡る刑務所暮らしが始まるのでした。
用心棒を名乗り出たはいいけれど
当時、ギニアへの移動は大型船。船内にはいくつもの牢屋が設置されており、しばらくの間、集団生活を強いられます。
罪人同士で喧嘩や殺人などは日常茶飯事。警備員の目を盗んでは弱き者は強面のお兄さんにボコボコにされたり、お金を取られてしまいに殺されてしまうということ。
パピはその心配はなかったものの、彼には脱獄という遠大な計画がありました。そのためにどうしてもお金が必要。
ということで、お尻に大金を忍ばせているという噂の元官僚ダグの用心棒を名乗りです。
最初こそパピの用心棒の提案を拒んだものの、危険な目に合ったことで彼の提案を受け入れることにしました。
こうしてパピはダグの用心棒となった訳ですが、これが結果的には良かったのか悪かったのか・・・。
2年間の独房生活に耐え抜く。
ポツンと1軒屋ばりの孤島にそびえ立つ刑務所。過去に何人もの受刑者が脱獄を試みたものの成功した人間はなし。
脱獄に失敗した受刑者は、警備員を殺したことで受刑者の目の前でギロチンによる公開処刑に処せられます。
恐怖心を刷り込ませることで脱獄という無謀な考えを起こすなよというメッセージが含まれているのに、ダグには全く効果なし。
こうして1回目の脱獄を行いますが、島から出ることなくあっさりと捕まり2年間の独房生活を強いられます。
精神的に追い込まれ、病んで命を落とす者が多い中、ダグはこの試練を乗り越え再び元の刑務所施設に戻ることができました。
二度目の脱獄は成功したかに見えたが・・・
2年間の独房生活を強いられても、ダグの脱獄の夢は潰えることなく2度目の脱獄を敢行。
島を抜け出し、海に出たものの座礁して奇跡的にコロンビアにたどり着きました。
こうして脱獄に成功したかに見えましたが、コロンビアの追放があったのか、刑務所スタッフが村まで訪れ、これまた御用となるわけです。
友人の残るという言葉に驚き
2度目の独房生活は5年。これもまた乗り越えることができたダグは最終流刑地、デビルズ島に移送されます。
そこには一緒に脱獄したダグの姿。ダグはすっかり島の生活に慣れきった様子でしたが、ダグの脱獄の提案に大喜び。
最後まで用心棒として使命を全するパピの姿勢に男気を感じました。
二人で簡易的な浮き袋をつくり、崖が飛び降りてさぁ脱獄という瞬間に、ダグからまさかのセリフが・・・。
ここでの暮らしに慣れてきってむしろ生涯をここで暮らしたいとのダグの本音にちょっとわかるという感じがしました。
パピも同じように捉えたのでしょう。無理に脱獄を進めることなく彼一人で大海へ。
こうして再び脱獄をするわけですが、彼をここまで突き動かしたものは何なのか、本国に残した彼女のためなのか、生き証人としてこのひどい仕打ちを世に知らしめることなのか・・・。
とにかくこの脱獄が成功するのか否か、ぜひご覧ください。