生まれ変わったら一緒になろうね
遠い昔に松田聖子と郷ひろみが破局した時に、聖子ちゃんが泣きながら「生まれ変わったら一緒になろうね」と涙ながらに語っていたセリフを思い出せたこの映画。
医学の進歩で、肉体、つまり外面は違うけれど中身は自分のままという夢のようなお話。
建築家として名を馳せた初老の男性が、このまま癌で死んでいくのは忍びない。この才能と経験を死によって失わせず、もっと世のため人のために活かしていきたい。
彼がすがったのが、この新品の身体に生まれ変れるという医学サービス。
CTスキャンのような装置に自分と、生まれ変わる人体を並べ同時にスキャニング。終わってみたらあら不思議、老いた私が30代の肉体を手にいれたという訳です。
とにかく若さを謳歌
それまでは老いを理由に、無理をしなかった生活も、エネルギー有り余る30代の肉体を手にいれたものだから、もう夜遊びは毎夜繰り返すは、とっかえ、ひっかえ女性と遊ぶわで、若さの素晴らしさを謳歌しました。
新車と思ったら中古かよ
が、良いことはそう長くは続きません。生まれ変わったこの肉体が新品ではなく、実在する人物、つまり中古であるという事実を知ってしまいます。
人体入れ替わり直後は幻覚に悩まされるので、薬の常用はマストですよと言われていました。
人体入れ替え直後に見た恋人らしき女性や小さな子ども。そして湾岸戦争らしき戦場は幻覚ではあるものの、全て事実に基づくものばかり。
新車を買ったはずなのに、中古車を売りつけられとサービス会社にクレームをつけるも反省の色は全くなし。
サービス提供会社は、この事実が外に漏れることを恐れ彼の命を奪いに行きます。
死んだはずのパパが復活
彼の生まれ変わりの肉体は、セントルイスに住む小さな娘を持つ家族のパパ。家族には溺死したと伝えられていましたが、これは全くの嘘。
パパは娘の難病の手術費を得るために自分の命と引き換えに娘の手術代を手にいれたのです。
娘はパパ生き返ったと大喜びなのに、奥さんには笑顔はない。勘の鋭い奥さんは、中身は旦那ではないと、すぐに気づきました。
記憶はかき消される
で、主人公にはさらなる不幸が。幻覚症状抑制の薬を飲まないと、自分の記憶が薄れていき、最終的には生まれ変わった肉体の人格、記憶に上書きされてしまうというもの。
せっかく生きながらえることができたのに、自分じゃなくなるのは意味がないわけない。
このままサービス提供会社に捕まってもいい所、主人公は大きな決断をします。
これが本当に第二の人生だなとしみじみと感じた次第です。