マッケンロー位は知っているけど
最近こそ錦織圭やら大坂なおみの登場でテニス界は盛り上がっていますが、僕がまだ小学生の頃と言ったら、世界に通用するような日本選手はおらずテニスというスポーツ自体あまりパッとしていませんでした。
そんな状況にもかかわらず、マッケンローというテニス選手の存在は当時から知っていましたね。
とにかく素行が悪く、マスコミ、観客、審判に容赦なく悪態をつく。感情をむき出しにしてプレイする姿は、紳士なスポーツ、テニスにそぐいませんでしたが、そこが人間味があって好意的な目で彼を応援していました。
クールな男の実の正体は
逆に本作品に描かれている絶対王者のボルグという選手は全くもって記憶にありません。
ウィンブルドンを4連覇しているのに・・・。神経質で表情ひとつ変えないまるでロボットのような性格は小学生の僕の胸を打つことはありませんでした。
今見ると、断然ボルグの方が魅力的に映るのは年のせいでしょう。
とは言え、中学生頃までは手がつけられないほどの暴れん坊将軍。審判に暴言を吐いたり、ラケットを放り投げたり。まるで去勢されていない馬のよう。
それが名門コーチの基で大人として、テニスプレーヤーとしての品格を植え付けられていくのですが、よくもまぁ、ここま人格が変わるなと逆にコーチの育成方法に興味がわきました。
追われる立場の苦悩
そんな昔の自分をマッケンローに重ねて見ていたのか、他人ではない何かを感じ取ったのでしょう。
その後の二人の親交を見るとそう思わざるを得ません。
とは言え、ウィンブルドン5連覇をかけた決戦までは、お互いピリピリ状態。
特にボルグの苦悩と言ったら見ているだけで胸が苦しくなりました。
チャンピオンと言っても常に追われる立場で相当なプレッシャーがかかる。寝ても冷めても試合のことばかり。周りはあまりにも気楽であまりの温度差の違いで周りの傷つけてしまうことも確か。
26歳の若さにして引退するのもわかる気がします。
これって実話?と疑うほど奇跡の名勝負
作品のクライマックスはウィンブルドン5連覇をかけ、ボルグがマッケンローと戦うわけですが、これが観客の表情やらアナウンサーの実況などをメイン。よくある演出では、選手間の心情を描くというのは全くなし。
この演出が、逆にノンフィクション感を増長させて、結果を知らない自分にとってはハラハラ・ドキドキ。
映画という枠の中で、試合の勝敗に見入ってしまいました。
長丁場のシーソーゲームで、この試合を生で見れた人は相当な幸せモノだと思います。
とにかく必見です。ぜひ