日本にはない山火事のプロ
全米最大級の山火事の消化活動にあたった実話に基づく本作品。
そもそも日本にはまず馴染みのない山火事専門の消防隊。
日本と違いとんでもない国土が広いですし、山火事も規模も規格外。かつほぼ切れ目なくほぼ毎週のように消火活動にあたっている所を見るに、かなりの頻度で山火事が起きているということが伺えました。
何かと学びの多い消化技
その消火活動というのが、空から陸からとかなりスケールの大きな話。空からは大量の水を投下し、鎮火がメインのお仕事。
一方、地上部隊は燃え広がる先を予想し、山火事の火が到達する前に燃やしつくしちゃうんです。
で、山火事の火が到達した頃には燃やすものがなくなり、そこで鎮火がなるというもの。
これにはなるほどなと関心させられました。
消失範囲を広げる行為にも見えますが、これが鎮火には有効なんですね。
初の地方自治体出身のチーム
で、今回主役となった消防隊は、初の地方自治体出身ということでメディアでも盛んに取り上げられていました。
とは言え、消化チームとして認められるまでに州政府からのお墨付きがつかないとぺけ。
加えて消化チームはほぼ州政府が運営するチームなんです。
現地に詳しい消防隊をさしおいて州から派遣された消化チームがドヤ顔で乗り込み、彼らの指揮の元、消火活動を行う。
この屈辱から解放されたことはチーム隊長、そしてチーム員にとってもより一層、仕事にプライドを持って臨む空気を醸成していったのです。
クスリ漬けでどうしようもなかったけど
中でも、クスリ漬けで街では札付きの悪と後ろ指をさされ、彼女からは二人の間にできた子供なのに、あなたは父親の資格なし。私一人で育てるという有様。
その彼が子供の誕生をきっかけに消火チームへの入隊を決意。そして仕事にも慣れてきた矢先に地方自治体初のチームと認められ、プリベートでも彼女から父親であることを認められることになったのです。
まるでゲリラ豪雨。半端ないスピード
とは言え、危険とは隣合わせの職業。いつ命を落とすかわからない中で、最初こそ旦那の仕事に理解を示していた奥さんでしたが、次第にほぼほぼ毎日家をあける旦那の仕事に疑問を持つように。
そんな中で起きたクライマックスの全米最大級の山火事の消火活動。
クスリ漬けの彼に限らず妻子持ちの隊員も数多くいる中で、チームに悲劇が訪れます。
この手の実話ものって、最後は成功を収めた良かったねという終わり方が多いのですが、本作品では・・・
とにかく予想を超えるあの火のスピードがなければ、あのような事にならなかったのではと悔やまれます。
最後の最後は本当つらくてつらくてなりませんでした。