誰もが憧れたヒーロー。ジャッキーチェーン
映画「酔拳」に感動して、兄が父とカンフーごっこに興じたり、友達がジェッキーチェーンではなく「成龍」という本国の呼び名を自慢気に語ったり・・・。
とにかく団塊ジュニア世代にとってジャッキーは僕らのヒーローそのものでした。
それから30年近く経ちジャッキーと再会。そもそもキャストを見ずに見始めたものだから、ジャッキーの老けっぷりに驚きを隠せませんでした。
ジャッキー健在。キレキレの格闘シーン
役どころは、一人娘と一緒に暮らす、ちょっと世話焼きのパパ。
ところが、この一人娘がテロ爆破で命を落とすという悲劇が起きます。
憔悴しきったジャッキーは警察、政府に犯人逮捕を強く要請するも、動きが鈍い。
最初こそ話し合いにより、この事件の解決が進むかと思いきや、自ら犯人探しを行い、娘の敵を討つという方向に話が進みます。
とは言え、見てくれは老いが激しく枯れきっているジャッキー。これで凶悪なテロリスト達と対峙できるのかと不安でした。
が、60を過ぎてもカンフーのキレっぷりは健在。数で勝る相手を次々と倒していく様は、映画、プロジェクトAを見ているようでした。
シリアスなジャッキーは逆に怖い
ジャッキーと言えば陽気な笑顔。どこかコミカルな感じがして、緊迫したシーンにも余白が感じられました。
が、本作品では大事な一人娘を失ったこともあってか、最初から最後まで笑顔は一切なし。
無表情でイギリスの副首相に詰め寄るシーンは怖ささえ感じました。どこか新境地のジャッキーを見た感じすらしました。
重層的なストーリー展開。没入感間違いなし
といった感じで、ジャッキーばかりに目が行きがちですが、ストーリーとしても十分見応えがあります。
ジャッキーには申し訳ないですが、彼が主役ではなくても十分楽しめる作品だと思います。
話の概要は、テロリストと政府が繋がっているのでは?というお話。イギリスと北アイルランドの過去の紛争も交えつつ、重層的にストーリーが展開されます。
この話とあの話が、ここに繋がるのねというのがいくつも散りばめられ、時間を忘れて話に入り込んでしまうこと間違いなしです。
それにしても、特殊部隊ってどんだけ強いんだよと思いました。一人で10人ほどの戦力は軽く有しているんじゃないかと。
そんな特殊部隊出身のジャッキー。アクションシーンも見応えありますが、トラップのかけ方、爆弾製造シーンなど特殊部隊の芸の幅の広さに驚かされること請け合いです。