安藤サクラの演技が冴える
気だるい感じで何を考えているわからない。そんなヌボーっとした演技をさせたらピカイチの安藤サクラ。始めて観る彼女の主演作でしたが、彼女でなければ成立しない作品でした。
主なあらすじ
仕事をやめてほぼ毎日部屋から出ずにゲーム三昧。実家が弁当屋にもかかわらず店の手伝いは一切せず、絵に描いたようなニート女子が、ボクシングに出会い、覚醒するというお話。
ニート暮らしからの脱出
親、そして姉からも容赦なしに非難を受け、居心地の悪い実家暮らし。姉との大喧嘩の末、実家を出ることを決断します。
彼女の心の中でも、このままではまずいと思ったのでしょう。翌日にはアパートを借り、バイトの面接を受け独り立ちの階段を一歩一歩上って行きます。
そんな時、近くのボクシングジムで、あるボクサーに胸キュン。恋に落ちてしまいます。何と彼、彼女が働くコンビニの常連客で、トントン拍子で交際が始まります。
仕事も恋も怖いくらいに幸先の良い出だし。こうして彼女はニート生活から徐々に脱していきます。
どうしようもない彼
彼との同棲暮らしの始まった彼女。甲斐甲斐しく夕飯をつくるも、彼氏からは「彼女ずらするな」の冷たいお言葉。が、そんな冷たい言葉にもめげることなく彼氏の世話を続けます。。職も転々として、どうしようもない彼氏なのに・・・
が、そんな彼女の気持ちも踏みにじるかのごとく、彼氏はしばらくすると家を出て他の女の所へ。
これがきっかけになったのか、失恋の痛手を忘れるかのごとく、彼女はどんどんとボクシングにのめりこむことに。
キレのあるシャドウボクシング
最初こそぎこちない動きでしたが、話が進むにつれて、ボクシング姿が様になってきているのにビックリ。ジャブ、ストレート、フック、加えてステップも、明らかに素人の域を超えた仕上がりっぷり。
安藤サクラって、その昔ボクシングをやっていたのでは?と思えるほど。
念願のプロデビュー戦
年齢制限ギリギリでプロテストに合格し、急ぎ足でデビュー戦にこぎつけます。
一般的な映画なら、この試合に勝利し、彼氏を見返し、ハッピィエンドというところですが、そんな現実離れした演出は一切なし。
ボクシングを始めて数ヶ月で試合に勝つなんぞボクシングはそう甘くないと言っているかのごとく、ボコボコにされる彼女。
最後に得意の左ストレートが炸裂し、おっ一発逆転かと思いましたが・・・。
最後は巣立っていた彼氏とよりを戻し、この作品何を伝えたかったんだろう・・・と疑問が残りましたが、肩の力を抜いた緩さが心地よいことは間違いなしです。