青天の霹靂。何故か出馬。二世はつらいよ
代議士の父が病に倒れ、本人の意思とは関係なく選挙に出馬。政治経験ゼロなのくせに、どうしてそこまで自信満々なのか。
秘書チームとのファーストコンタクトは圧巻。自身の政治信念を堂々とアピールし、これが素人なのかと驚かされました。秘書スタッフからも欧米風ねと揶揄される始末。
最初こそ、自らが望んで父に代わり出馬すると思いましたが、実は本人としては政治家になるという意思は全くなく、父のためという親孝行心がそうさせたのでしょう。
有権者との接し方が斬新。世間知らずとは怖いもの知らず
本作品で立候補者の選挙活動がいかに大変かを垣間見ることができます。地元住民のお家を一軒一軒周り、挨拶をしたり、街頭でのビラ配り。マスコミを相手にした説明会などなど。
時には選挙権のない選挙権のない外国人のお宅を訪問したり、ライバル候補者を罵倒したりなど、お嬢様育ちということもあってか、全ての行動においてちょっとしたズレが生じ、秘書チームのフォーローする姿がおもしろおかしく描かれています。
後援会の力って絶大なの？
本作品で気になったのが後援会の輩連中。地元名士やら大企業の社長さんやらで構成され、選挙活動中に色々と注文をつけてきます。
まぁ、ド素人の二世なので、口を出すのはわかりますが、どこか後援会のための選挙のようにも見え、立候補者は、彼らのひとつのコマのようにも見えました。
そんな決まりきったルールにも、疑問をいただく宮沢りえ演じる二世議員。しまいにはあなたたちの支援はいらない。一人でやってやるときっぱり。見ていてスッキリしました。
コミカルにそしてシリアルに。宮沢りえって凄いかも
おとなしめ、真面目、真面目な作品に主演するイメージの強い宮沢りえでしたが、本作品ではコミカルな演技にも挑戦しており、これが見事にはまっていて、新たな一面を見た気がしました。
記者とのなぐりあい、秘書スタッフのお願い事に我慢しながら耳を傾けるシーンは最高。
とは言え、コミカル一辺倒ではなく、エンディングに近づくにつれてシリアルなシーンもきっちり演じきっています。
宮沢りえの演技と選挙の裏側を知る上では、良作だと思います。ぜひ御覧ください。
