ゲレンデで飲むビールは格別
世はスキーブームど真ん中。まだスノーボードというイケてるスポーツがない時代。金曜日の夜に出発して、大渋滞の関越道を抜けて新潟のスキー場に取り憑かれたように通い詰めていました。
社会人になってからは、疲労回復のためにほぼ週末は自宅待機。全くスキー場にも足を運ばなくなり、かれこれ数十年はウィンタースポーツをしていません。
が、この作品を見ると、美しい銀世界。山頂から見る絶景、そしてスキーをしている時の気持ちいいスピード感が蘇り、またスキーをやってみたいと思わせてくれます。
特にロッジで飲む冷えたビールとカレーはスキー場ならではの格別な体験。このためにスキーを頑張ってきたと思わせちゃうほどの力があります。
話は深刻なのに程よいコミカルな感じがいい
ストーリーは、生物兵器と呼ばれる炭疽菌を雪山に埋め、勤め先の社長を脅迫するというかなりシリアスなお話。
場所を教えて欲しければ3億円を払えと脅し、青ざめる社長。とにかく事態解決のため、白羽の矢が立ったのが阿部寛だったのです。
偶然にも息子がスノボーフリークということもあり、家族揃って、埋められているであろうスキー場に向い捜索活動を進めるのですが、緊張感はゼロ。
あまりにもコミカルな作りに、深刻な感じはなくどちらかと言うと、仲間由紀恵と演じたトリックな雰囲気で、チョイチョイ笑いありといった内容。
スキーが苦手で、周りに迷惑をかけっぱなしで、息子からも煙たがられる残念な役柄ですが、どこか愛嬌があって憎めないといった感じ。
本人はいたって真面目に炭疽菌探しをしているんですが・・・
ひかる、ムロツヨシの存在感
2017年に大ブレイク。そこそこ売れた俳優として年末のバラエティ番組も出ていたムロツヨシさんが阿部寛の捜索を邪魔する役で登場します。
阿部寛と同じ会社に勤める女性スタッフが、炭疽菌の存在を知り、これはお金になるということで、弟のムロツヨシとつるんで、阿部寛に密着して発見したら横取りしてやろうと画策していたのでした。
やけに馴れ馴れしくて、ウンサクサイ役柄。ムロツヨシだからこそ、演じきれたのはでないかと思うぐらいのハマり役でした。
行き詰まる裏切りの連続
最終的には炭疽菌は無事発見されますが、最後まで目の話せないのがこの作品の面白い所。発見して一件落着と思いきや、何度も何度もいい意味で裏切られまくりです。
最後はスカッとするようなエンディングとなり、最後まで没入して楽しめることができました。