豪華なキャスト陣だけで十分
綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すずと今をときめく女優陣を揃えた作品。スートーリーがこけてもこの豪華なキャスト陣ですから、映像を見ているだけでも十分満足。
見終わって感じたのは、ありのまま、無理していない、日常感。これだけの女優を揃えると、力が入って、姉妹にまつわる映画ならではのイベントごとが発生しそうなものの、そんなものは皆無。
美人姉妹の日常の様子を心地よいほどに淡々と描いている作品でした。
四姉妹となると性格もバラバラ
バラバラだからこそ、ノイズが起きる。ノイズが発生するから個性が活き活きと伝わってくる。
しっかりものの長女とちょっとルーズな次女、長澤まさみ。どこか不思議ちゃんを感じさせる夏帆と三姉妹を俯瞰して見るちょっと大人な広瀬すず。
男にだらしない次女を叱る長女、三女の男の趣味を不思議でならない長女と次女。
どこにもありそうな日常が描かれていて、男兄弟でも、このような事は思い当たる節があります。
女性姉妹であればなおのことでしょう。
四姉妹を取り巻く環境もこれまた日本的
お父さんとお母さんは早々に離婚し、お母さんも訳あって3姉妹を残し、家を飛び出ししばらく合わずじまい。
がmそんな両親を恨む気持ちは微塵もなく、久々の再会も笑顔で対応。長女だけは許さないという気持ちでいっぱい。
そんな長女の態度を諌める次女が、いつもお姉ちゃんに頭が上がらないけど、ここぞという時に鋭い突っ込みを入れる。それもまた現実っぽい感じがして、これまたジーンと来てしまいまいました。
他にも姉妹の成長を陰から見守っていた近所の定食のおばさん、幼なじみのサッカー部のコーチなど村社会日本の良さがにじみ出ていました。
日本人らしい日本映画
変にドラマチックに仕立ててしまうと、ウソっぽく見えてしまう。日本らしい家族を描くなら、ありきたりの日常を描いた方が伝わるのでは?といった所を感じましたね。
スートーリーは淡々と進みますが、単調ではないので見ていて飽きない。姉妹の会話も妙にリアルだし、日本の姉妹像というのが見えた感じがします。
第68回カンヌ国際映画祭にノミネートされたのもわかる気がします。
暑い夏に、どこか気持ちが清らかになるよい作品でした。